自立訓練(生活訓練)の利用の流れ|相談から利用開始までの手順をステップで解説
「自立訓練(生活訓練)を利用してみたいけれど、どんな手続きが必要なのかわからない」「福祉サービスの申請は難しそう」
このように感じている方も多いのではないでしょうか。
自立訓練(生活訓練)は、障害者総合支援法に基づく「訓練等給付」に位置付けられる障害福祉サービスです(※1)。利用開始までには、まず相談し、事業所の見学や体験を経て、市区町村へ障害福祉サービスの支給申請を行い、支給決定後に事業所と契約して利用を開始します。
この記事では、自立訓練(生活訓練)を利用するまでの全体の流れを6つのステップに分けて解説します。必要書類のチェックリストや、見学時に確認すべきポイント、申請から利用開始までにかかる期間の目安もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

自立訓練(生活訓練)を利用するまでの全体の流れ
利用開始までの6ステップ
自立訓練を利用するまでの流れは、おおまかに次の6つのステップに分けられます。
ステップ1:相談する
ステップ2:事業所を見学・体験する
ステップ3:必要書類を準備する
ステップ4:障害福祉サービスの利用を申請する
ステップ5:受給者証を受け取り、事業所と契約する
ステップ6:利用開始・個別支援計画の作成
この流れに沿って進めれば、スムーズに利用を開始できます。各ステップで何をすればよいのか、どんな書類が必要なのかを順番に見ていきましょう。
なお、自立訓練(生活訓練)は介護給付ではなく訓練等給付にあたるため、原則として「障害支援区分の認定」は不要です(※2)。代わりに、後述するアセスメント調査と「暫定支給決定」の仕組みを経て本支給決定が行われます。
申請から利用開始までにかかる期間の目安
申請してから実際に利用を開始するまでには、一般的におおむね1〜2ヶ月程度かかるケースが多いとされています。これは、市区町村でのアセスメント調査や受給者証の発行手続きに時間を要するためです(※2)。
ただし、自治体や時期、書類の整い方により審査期間は変動し、状況によってはさらに時間がかかる場合もあります。利用を希望する方は、早めに動き始めることをおすすめします。
事業所の見学や体験は、申請前でも可能です。「どんな雰囲気なのか知りたい」「自分に合っているか確かめたい」という方は、まず気軽に見学から始めてみましょう。
自立訓練(生活訓練)の基本的な仕組みや対象者については、「自立訓練(生活訓練)事業所とは」の記事(記事①)で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
ステップ1|相談する
市区町村の障害福祉窓口に相談
自立訓練の利用を検討し始めたら、まずお住まいの市区町村の障害福祉窓口に相談してみましょう。窓口では、自立訓練の制度概要や利用条件、地域にある事業所の情報などを教えてもらえます。
福祉窓口の名称は自治体によって異なります。さいたま市の場合は、お住まいの区役所「支援課」が障害福祉サービス利用申請の窓口となっています(※3)。市役所や区役所の総合案内で「自立訓練について知りたい」と伝えれば、適切な窓口を案内してもらえます。
相談支援事業所に相談
相談支援事業所は、障害のある方の福祉サービス利用をサポートする専門機関です。指定特定相談支援事業者に所属する相談支援専門員が、本人の希望や状況を丁寧にヒアリングした上で、適切なサービスを提案してくれます(※5)。
相談支援事業所は、市区町村の福祉窓口で紹介してもらえるほか、インターネットで「お住まいの地域名+相談支援事業所」と検索して探すこともできます。
相談支援専門員は、後述する「サービス等利用計画」の作成も担当するため、利用開始後も継続的にサポートを受けられる点がメリットです。
気になる事業所に直接問い合わせる
すでに利用したい事業所の目星がついている場合は、直接その事業所に問い合わせることも可能です。事業所のスタッフが、利用の流れや必要な手続きについて丁寧に説明してくれます。
電話での問い合わせに抵抗がある方は、ホームページの問い合わせフォームやメールを利用するとよいでしょう。多くの事業所では、Webからの問い合わせにも対応しています。
ステップ2|事業所を見学・体験する
見学時に確認すべきポイント
事業所の見学は、自分に合った場所を選ぶための重要なステップです。見学時には、次のようなポイントを確認しましょう。
施設の雰囲気(清潔感、明るさ、静かさなど)
スタッフの対応(話しやすさ、丁寧さ)
プログラムの内容(自分の課題に合っているか)
通所のしやすさ(駅からの距離、交通手段)
利用者の雰囲気(年齢層、性別、障害の種類など)
「何を聞けばいいかわからない」という方も安心してください。スタッフが丁寧に施設を案内し、プログラムの内容や1日の流れを説明してくれます。疑問点があれば、遠慮せずに質問しましょう。
体験利用の内容と期間
見学だけでは雰囲気がつかみにくい場合は、体験利用を申し込むこともできます。体験利用では、実際のプログラムに参加して、事業所での過ごし方を体感できます。
体験期間は事業所によって異なりますが、1日〜数日間の設定が一般的です。複数回参加することで、より具体的に「ここで通所を続けられそうか」を判断しやすくなります。
体験の費用は事業所により異なります。気になる事業所があれば、積極的に体験を申し込んでみましょう。
複数の事業所を比較検討するのがおすすめ
可能であれば、複数の事業所を見学・体験することをおすすめします。事業所ごとにプログラムの特色やスタッフの雰囲気が異なるため、比較することで自分に合った場所を見つけやすくなります。
たとえば、ある事業所では創作活動が充実している一方で、別の事業所では就労準備プログラムに力を入れているといった違いがあります。自分が「何を優先したいか」を整理した上で、見学に臨むとよいでしょう。
メルディアライフネスト浦和の見学・EQS体験
メルディアライフネスト浦和では、見学時にEQS(生活能力評価)を体験できます。EQSとは、「心のしなやかさ」「コミュニケーション能力」「困難に立ち向かう力」の3軸で、利用者の生活能力を客観的に評価するツールです。
見学の段階でEQSを体験することで、自分の現状や課題を把握でき、支援の方向性をイメージしやすくなります。「何から始めればいいかわからない」という方にとって、EQSは自己理解の第一歩となります。
メルディアライフネスト浦和は、JR京浜東北線北浦和駅東口から徒歩4分とアクセスしやすい立地にあります。見学・無料相談はいつでも受け付けていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
ステップ3|必要書類を準備する
必要書類チェックリスト
自立訓練の利用申請には、いくつかの書類が必要になります。自治体や個別の状況によって書類は異なりますので、以下のチェックリストはあくまで一般的な目安と捉え、必ず事前にお住まいの市区町村の障害福祉窓口に確認してください。
障害者手帳がない場合の対応
障害者手帳を持っていない方でも、医師の診断書や意見書、自立支援医療受給者証等によって障害の状態を客観的に確認できる場合は、自立訓練(生活訓練)を利用できる可能性があります(※4)。
診断書には、障害の種類や程度、日常生活における困難、必要な支援内容などが記載されます。主治医に「自立訓練の利用を検討しているので診断書を書いてほしい」と伝えれば、対応してもらえます。
診断書の取得にかかる期間と費用
診断書の発行には、通常1〜2週間程度かかることが多いとされています。医療機関によっては、さらに時間がかかる場合もあるため、余裕を持って依頼しましょう。
費用は医療機関ごとに大きく異なり、概ね数千円〜1万円程度が目安となるケースが多いですが、医療機関ごとに自由に設定されています。診断書の作成費用は健康保険の対象外のため、原則として全額自己負担となります。
利用料金の詳細については、「自立訓練の費用」の記事(記事④)で解説していますので、あわせてご覧ください。
ステップ4|障害福祉サービスの利用を申請する
市区町村の福祉課での申請手続き
必要書類が揃ったら、お住まいの市区町村の障害福祉窓口(さいたま市の場合は各区役所支援課)で申請手続きを行います。窓口で「自立訓練(生活訓練)を利用したい」と伝えると、申請書類を渡してもらえます。
申請書には、氏名・住所・障害の状況・利用したい福祉サービスの種類などを記入します。記入方法がわからない場合は、窓口の担当者が丁寧に教えてくれるため、安心してください。
申請が受理されると、後日、市区町村の職員等による聞き取り(概況調査・アセスメント調査)が行われます(※2)。
概況調査・アセスメント調査(生活状況やサービス利用についての聞き取り)
訓練等給付(自立訓練・就労移行支援等)では、介護給付のような「障害支援区分の認定調査」は原則として行われません(※2)。代わりに、本人の生活状況や障害の程度、必要な支援内容を把握するための概況調査・アセスメント調査が実施されます。
調査は、市区町村の職員が自宅を訪問するか、窓口で面談を行う形で実施され、次のような内容を聞かれます。
日常生活の状況(起床・就寝時間、食事、入浴など)
現在困っていること、支援が必要なこと
自立訓練を利用する目的や希望すること
家族構成や同居家族の支援状況
心身の状況に関するアセスメント項目
調査は形式的なものではなく、本人の状況を正確に把握して適切な支援につなげるためのものです。わからないことがあれば、その場で質問しながら進められるので、緊張せずに臨みましょう。
サービス等利用計画案の作成(セルフプラン or 相談支援専門員に依頼)
調査が終わると、次は「サービス等利用計画案」を作成します。これは、どのような福祉サービスをどのくらいの頻度で利用するかを記した計画書です。
サービス等利用計画案の作成方法には、次の2つがあります。
指定特定相談支援事業者の相談支援専門員に作成を依頼する:専門員が本人の希望や状況をヒアリングした上で、適切な計画を立ててくれます
セルフプランを本人や家族が自分で作成する:身近に指定特定相談支援事業者がない場合や本人が希望する場合に提出できます
計画相談支援(相談支援専門員によるサービス等利用計画案の作成・モニタリング)の費用は、利用者の自己負担はありません(※5)。費用は市町村から指定特定相談支援事業者に直接支払われる仕組みになっています。
初めて福祉サービスを利用する方は、相談支援専門員に依頼する方が安心です。市区町村の福祉窓口で紹介してもらえるため、気軽に相談してみましょう。
ステップ5|受給者証を受け取り、事業所と契約する
受給者証の届くタイミング
申請が受理され必要な手続きが進むと、障害福祉サービス受給者証が交付されます。受給者証が届くまでの期間はおおむね2週間〜2ヶ月程度が目安とされていますが、自治体や状況によって変動します。
受給者証が届くまでの間に、利用したい事業所と連絡を取り合い、利用開始日の調整を進めておくとスムーズです。
訓練等給付ならではの「暫定支給決定」
自立訓練(生活訓練)・就労移行支援などの訓練等給付では、本人の希望をできる限り尊重しつつ、サービスが本人に合っているかを実際の利用結果を踏まえて確認するため、まず最大2ヶ月の「暫定支給決定」が行われ、その期間中の利用実績やサービス管理責任者による評価などを踏まえて、正式な支給決定(本支給決定)が行われる仕組みです(※2)。
これは、訓練等給付ならではのプロセスで、利用者にとっては「実際に通ってみてから本格利用を判断できる」というメリットがあります。
契約時に確認すべきこと
受給者証が届いたら、利用を希望する事業所と正式に契約を結びます。契約時には、次のような内容を確認しましょう。
利用開始日
通所頻度(週何日通うか)
利用時間(午前のみ、午後のみ、1日通所など)
個別支援計画の作成スケジュール
利用料金(受給者証に記載された負担上限月額)の支払い方法
契約書の内容に不明点があれば、遠慮せずに質問しましょう。重要事項説明書の説明を受け、納得した上で契約を結ぶことが大切です。
ステップ6|利用開始・個別支援計画の作成
個別支援計画とは
個別支援計画とは、利用者一人ひとりの状況や希望に応じて作成される支援の設計図です。事業所のサービス管理責任者が本人と面談を行い、「どんな生活を目指したいか」「そのために何が必要か」を一緒に考えながら作成します。
計画には、具体的な目標(例:朝決まった時間に起きられるようになる、週3日以上通所する、など)と、その目標を達成するためのプログラム内容が記載されます。
本人の希望を踏まえた目標設定
個別支援計画の目標は、本人の希望を最優先に設定されます。「すぐに就職したい」という方もいれば、「まずは生活リズムを整えたい」という方もいます。無理なく取り組める目標を、スタッフと一緒に考えていきましょう。
メルディアライフネスト浦和では、リービングネストプログラムという4段階の支援ステージを設けています。基礎ステージ(生活リズムを整える)から始まり、体験ステージ(経験を重ねる)、探求ステージ(進路を探求する)、始動ステージ(進路に向けて歩み出す)へと段階的にステップアップしていく仕組みです。
この4段階の枠組みがあることで、「今どの段階にいるのか」「次に何を目指すのか」が明確になり、安心して訓練に取り組めます。
定期的な計画の見直し(モニタリング)
個別支援計画は、利用開始後も定期的に見直されます。事業所による個別支援計画のモニタリングは、法令上「概ね6ヶ月に1回以上」と定められています(※6)。本人の状況に変化があった場合は、その時期を待たずに見直しが行われます。
また、相談支援専門員によって作成されたサービス等利用計画のモニタリングは、自立訓練(生活訓練)の場合、標準で3ヶ月ごとに行われるのが一般的です(市町村が個別に定めるため、利用者の状況によりこれより短くなる場合もあります)(※6)。
「最初に立てた目標が自分に合わなかった」「状況が変わって新しい目標を設定したい」という場合でも、柔軟に対応してもらえるため、安心してください。
利用開始後にやめたくなったら?途中退所は可能?
いつでも退所は可能
自立訓練は、利用期間の途中であっても退所することができます。「事業所が自分に合わなかった」「体調が悪化して通所が難しくなった」など、理由はさまざまです。
退所手続きは、事業所に申し出て契約解除手続きを行うことで進められます。手続きや利用料の扱いは契約内容と事業所規定により異なるため、契約書・重要事項説明書を確認のうえ、事業所に相談してください。
退所前にスタッフや相談支援専門員に相談を
ただし、退所を決める前に、一度スタッフや相談支援専門員に相談してみることをおすすめします。通所がつらいと感じる原因が、プログラムの内容や通所頻度の調整で解決できる場合もあります。
また、退所後に「別の事業所に移りたい」「他の福祉サービスを利用したい」という場合も、相談支援専門員がサポートしてくれます。
手続きが不安な方へ|事業所スタッフがサポートします
メルディアライフネスト浦和では手続きのサポートも実施
メルディアライフネスト浦和では、利用開始までの手続きに不安を感じる方に対して、スタッフがサポートを行っています。
たとえば、「どの書類を用意すればいいかわからない」「申請書の書き方がわからない」という場合は、スタッフが一つひとつ丁寧に説明します。手続きに不安がある方は遠慮なくご相談ください。
対象者や利用条件について詳しく知りたい方は、「自立訓練の対象者」の記事(記事③)もあわせてご覧ください。
まとめ|「難しそう」と感じたらまず相談から始めよう
自立訓練(生活訓練)の利用開始までの流れは、次の6ステップです。
ステップ1:相談する
ステップ2:事業所を見学・体験する
ステップ3:必要書類を準備する
ステップ4:障害福祉サービスの利用を申請する(概況調査・アセスメント、サービス等利用計画案の作成)
ステップ5:受給者証を受け取り、事業所と契約する(最大2ヶ月の暫定支給決定を経て本支給決定)
ステップ6:利用開始・個別支援計画の作成
訓練等給付である自立訓練(生活訓練)は、障害支援区分の認定が原則不要であり、暫定支給決定の仕組みによって「実際に通ってから本格利用を判断できる」という特徴があります。手続きが複雑に感じるかもしれませんが、事業所のスタッフや市区町村の担当者、相談支援専門員が丁寧にサポートしてくれます。「難しそう」と感じて諦める前に、まずは見学や相談から始めてみましょう。
メルディアライフネスト浦和では見学・無料相談を受付中です。お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ:https://mlda.jp/mlninquiry/
この記事はメルディアライフネスト浦和のスタッフが監修しています。
出典一覧
※1 厚生労働省「障害福祉サービスの内容」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/naiyou.html
※2 厚生労働省「介護給付費等に係る支給決定事務等の事務処理要領」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_17797.html
※3 さいたま市「さいたま市の障害者福祉ガイド」
https://www.city.saitama.lg.jp/002/003/004/003/001/p005696.html
※4 厚生労働省「障害福祉サービスについて」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/index.html
※5 厚生労働省「障害のある人に対する相談支援について」
※6 厚生労働省「継続サービス利用支援・継続障害児支援利用援助のモニタリング期間(案)」





