一般財団法人メルディア小池信三代表理事 – 寄り添ったトータルサポート目指して8年
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トピックス2024年07月1日
「知的障がいのある人から目を背けない、温かい社会にしていきたい」、そう話すのは一般財団法人メルディアの代表理事を務める小池信三。当事者だけではなく、悩みを抱えるご家族を支えるための活動を行おうと、様々な事業を展開してきました。財団設立から8年目。今回、満を持して広報誌メルディアにて自身の想いを語ります。
障がいのある子どもを育てる家庭に”何か協力できないか?”
小池代表理事 財団の理事の一人である水越けいこさんとの出会いが財団設立のきっかけでした。シンガーソングライターとして活躍される彼女が子育てに奮闘していると、詳しく話を聞くとお子さんはダウン症があり、シングルマザーとして育てている。障がいのある子を母親1人で育てる家庭が多いと彼女は言いました。片親ですと、働ける時間も少なく、生活的にも苦しい状況が多くあることは容易に想像できます。そういった方々を支える活動や仕組みがあればいいのではないかと、障がい者支援、特に知的障がいのある子どものいるご家庭を支援し始めました。役立つ情報を発信したり、同じ悩みを持つ親御さんたちに情報交換の場を提供したり、そういうコミュニケーションの場を作ることが目的です。
広報誌メルディアは2017年11月から発行し続けていますが、読者の方からは「色々な情報を得られました」「心の支えになりました」という感謝のメッセージをこれまでにたくさん頂きました。毎月のアンケートには目を通していて、そういった声を見ると、財団をやっててよかったなと思います。もう一つの青少年スポーツ支援事業では、その奨学制度を使ってプロになった選手もいます。夢を服むのは本人の努力ですが、その一助になれているということも縮しく思います。そういう風に、支援していることが届いている、形になっていると感じる瞬間は財団の存在意義を強く感じます。
8年目のメルディア。現在の支援活動は?
永野事務局長 財団の目的、小池の想いを受け事業として様々な活動を実施してきました。財団は設立から8年目となり、活動の幅も広がってきました。現在、広報誌の他にも次の事業を行っています。
働きたい障がい者のための、就労移行支援事業所メルディアトータルサポート上野での直接支援を行っています。
障がいの有無に関わらず、親が子に願う事の一つに、社会に出て自立した生活を営んで欲しいという事があると思っています。ただ、障がいがある場合はスムーズに就職活動を行い社会に出る事が難しいことが多いことも事実です。我々の財団でもそこにフォーカスし労移行支援という枠組みを活用して、一人でも多くの方が社会に出て自立した生活を送れるようサポートしています。
また、家族の頑張りを支えるためのカウンセリングルームメルディアウェルネスを設置しました。
広報誌の取材活動を通して、様々な方のお話を伺う中で、障がいのある子と日々接している多くの親御さんは「きちんとしなくては」「泣き言を言ってる場合ではない」とご自身を鼓舞しながら日々を送られていると感じました。カウンセリングや相談で全てが解決するわけではありませんが、気を張らずに過ごし、自身の話をし、気持ちが落ち着く空間を提供できればと考えカウンセリングサービスを提供しています。
そして、青少年スポーツ支援。
プロを目指す青少年たちが的確な環境で才能を評価されプレイを続けられるよう支援しています。特に首都圏や大阪ではユース育成が手厚いクラブチームが多数ありますが、そういった場で全国の実力のある子たちが経験を積める機会を提供したい、と事業を行っています。この奨学制度で現在3名がプロサッカー選手となり、うち1名はオリンピック日本代表候補にまでなっています。
医療支援や施設拡充などさらに直接的な支援を目指して
小池代表理事 今後も、知的障がい児・者のいる家庭のためになる情報、なかでも薬や医療関係について発信していきたいです。過去にも広報誌で新しい研究結果や薬の話について取り上げさせていただきました。多くの親御さんは、子どもともっとコミュニケーションを取れるようになりたいと考えていると思います。そこに繋がる何か新しい希望を持てるような情報を知ることができれば、親御さんも安心すると思いますし、少しでも状況が改善するように、より多くの情報を提供することが一番重要だと考えています。子どもの成人後や親なきあとなど、将来的な不安もたくさんあると思います。それらに対しての法的な話や、公的な支援も今後変わっていくと思いますし、そういった情報も掘り下げて届けられたら悩んでいる方々のためになるのではないかと思っています。
より直接的な支援という意味では、独自の医療機関を財団として持ちたいという思いや、ショートステイができる施設を拡充したいと考えています。ショートステイは、片親の方や、きょうだいがいる家庭など、子育てされている本人が体調が悪くなったり、子を世話できない状況になったときに一時的に使える施設がたくさんあればと思い、検討をしています。また、大きな声を出しても大丈夫なレストランなど、気負いせず外出ができるような場もつくっていきたいですね。
より多くの人が”目を向ける”、温かい社会に
小池代表理事 世の中には様々な支援がありますが、個人的にはもっと知的障がいに対する支援や理解が広がってほしいと思っています。私は、知的障がい支援をしたいと私財をなげうって財団をやっています。しかし、知的障がいというものは、障がいがある、助けが必要ということを当事者が社会に伝えることがあまりできないという特性があるせいか、なかなかマスコミにもスポットが当たりません。支援しても、支援になっているのか分かりづらいという面もあるかもしれませんが・・・。しかし、当事者のことだけでなく、親御さんが困っていることを共有したり、頑張っている親御さんがたくさんいることをもっと知ってもらえれば、社会に対する知的障がいへの誤解を解くことにもつながるはずです。目の見えない方が歩いていたら荷物を持ってあげる、車椅子で困っている人がいたら車椅子を押してあげる、そういうちょっとした手助けと同じように、電車で知的障がい者が大きな声を出していたら、何か困っていないかとまずは見守ってほしい。何をすればいいか分からない、とその場から立ち去るのではなく、小さい子どもを見守るように、目を背けない。知的障がい者に偏見を持たない社会になるよう、少しでも力になっていきたいです。ぜひ、読者の皆さんの知りたい情報を遠慮なく教えてくださいね。
永野事務局長 最後に、現在、財団では障がい者支援事業とスポーツ支援事業の二つの事業をより大きく展開し、より多くの方へサポートを届けたいと考えています。小池の話にもありましたが、今後新たな試みとして医療分野での貢献、福祉施設の拡充など、我々の力でできることは多くあると考えていて、企業、団体、個人問わずにご賛同いただける、ご連携いただける方を募っています。
広報誌を常設設置していただける、周囲の方にお配りいただける、広告を出稿いただける、福祉事業として連携が出来る、ご寄付をいただき財団の事業に参加いただける、どんな形でも構いません。多くの方の賛同、支えをいただければ、より広い支援活動が出来ると考えています。
財団の活動にご賛同いただける方はぜひご連絡いただければ嬉しいです。