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「善は悪に勝つ」人に”与える”大切さを映画を通して伝えたい

トピックス2024年07月29日

福祉映画や反戦・男女参画をテーマにした作品を制作・公開し、90歳を超えてもなお自らメガホンを握り続ける山田火砂子監督。今年3月より、両親が知的障がい者の娘目線で語られる親子愛に溢れる映画「わたしのかあさん一天使の詩―」を公開しています。彼女が映画を撮る原動力は何なのか、話を伺いました。

知的障がいのある長女を育てながら時代を駆け抜けてきた

 映画のプロデューサーを長年務め、60歳で監督業に乗り出した山田火砂子監督には、知的障がいのある長女がいます。「私には、もう60歳を過ぎているけれど、知的障がいのある娘がいます。彼女が生まれた当時、60年前の日本には今のような福祉制度は整っていなくて、障害基礎年金制度や知的障がい者のための教育制度が十分でない時代。戦後はまだそういう時代だったんですよね。そういう時代に、社会的に立場の弱い子どもを育てるわけだから、お金もかかるし、様々な苦しさから親子心中してしまう人たちもたくさんいました」と、当時のことを教えてくれる山田監督。「当時は知的障がい者のための学校と言ったって、数える位しかなくて、そこへみんなが押し掛けるから、1人の先生が子どもを山ほど抱えていました。なんとか受かって入れた学校で出会った先生がいて、その方が今回の映画の原作「わたしの母さん」の著者・菊地澄子先生でした。娘にもすごく優しくしてくれて、かわいいかわいいと追いかけまわしてくれて、『いつか先生の本を映画にするからね』なんて言っていたことを今回実現することができました」と話します。

子どもたちには笑いの溢れる家庭で育ってほしい

 今回の映画で伝えたいことを伺うと、「原作では、主人公の子ども・高子の世界を描いていて、障がい者の母は嫌だと言うけれど、だんだんと周りの人のお説教や色んなものを見聞きする中で、母も父も障がいのある一人の人間だって理解していくところで終わっているのだけど、より色んな人に見てもらうために、映画では高子が大人になった部分も描いています。高子の子ども時代の家は、都営の住宅をイメージして、実は私の住んでいるマンションで一部屋空いたところを借りて作りました。作り出した生活の場で、ささやかに暮らす子ども達の成長過程を、現代の人たちに見せてやろうと貧乏映画を作ったんです。最近は戦後の貧しさを知らない人ばかりになってきているので、今回の映画のテーマの一つですね、『貧乏またこれ楽しい』と。

 それを伝えるシーンの一つに、食卓のシーンがあります。高子の友達は医者の娘で豊かな家庭。高子の家とダイニングも全然違うわけです。でもそこで、1人侘しく夕飯を食べている女の子のシーンから、高子の母を演じる寺島しのぶさんがわーっと騒いで家族で食卓を囲むシーンがあって。豊かさとはお金が全てじゃない、こんな、”笑い”のある食卓で子どもたちに育ってほしいですね。お客さんからも『このシーン良かった』と声を頂きました。他にもこんなシーンが良かったと、アンケートを取ったら山のように来て嬉しいです」。

「私が立ち上がらなくては」と乗り出した監督業

 では、山田監督の映画制作に対するパワーの源は何でしょうか。「芸能の走りを始めたのは、『ウエスタン・ローズ』というバンドに参加したことがきっかけです。そこから舞台女優を経て、子どもが生まれて。再婚した夫が大ブロデューサーだったので、映画制作に携わり始めました。映画を作りたいなら、外国映画のことも知った方がいいと、入り浸っていた教会で外国文化についても勉強していましたね。

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