精神障害者保健福祉手帳とは?等級・受けられるメリット・申請方法をわかりやすく解説
うつ病や統合失調症、発達障害などの精神疾患により、日常生活や仕事に支障を感じている方を支える公的な制度が「精神障害者保健福祉手帳」です。手帳を取得すると、税金の軽減やさまざまな割引、障害者雇用枠での就労といった支援を受けられるようになります。一方で、「取得すると不利になるのでは」「どうやって申請するのかわからない」といった不安や疑問から、一歩を踏み出せずにいる方も少なくありません。この記事では、手帳の対象となる方や1〜3級の等級の違い、受けられるメリット、申請から更新までの流れを、制度に沿ってわかりやすく整理してお伝えします。

精神障害者保健福祉手帳とは?制度の概要
精神障害者保健福祉手帳は、一定程度の精神障害の状態にあることを認定する手帳です。精神障害のある方の自立と社会参加の促進を図ることを目的としており、手帳を持っている方にはさまざまな支援策が講じられています。根拠となる法律は「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)」で、その第45条に基づいて交付されます。
手帳を取得すること自体は義務ではなく、あくまで本人が希望する場合に申請する任意の制度です。取得によって、税金の控除や公共料金の割引、障害者雇用枠での就労など、生活と就労の両面を支える仕組みを利用できるようになります。
対象となる人(対象疾患・状態)
対象となるのは、何らかの精神疾患により、長期にわたって日常生活または社会生活に制約がある方です。具体的には、次のような精神疾患が対象に含まれます。
統合失調症
うつ病、双極性障害などの気分(感情)障害
非定型精神病
てんかん
薬物やアルコールなどによる中毒精神病
高次脳機能障害を含む器質性精神障害
発達障害(自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、学習障害など)
その他の精神疾患(ストレス関連障害など)
さいたま市でも、統合失調症、うつ病などの気分(感情)障害、非定型精神病、器質性精神障害(高次脳機能障害を含む)、てんかん、その他精神疾患が対象として案内されています。
注意したいのは、知的障害のみで上記の精神障害がない場合は精神障害者保健福祉手帳の対象にはならず、療育手帳の対象になるという点です。ただし、発達障害と知的障害の両方がある場合は、両方の手帳を受けることができます。
対象となるためのもう一つの要件が、初診日からの経過期間です。手帳を受けるには、その精神障害による初診日から6か月以上経過していることが必要とされています。年齢による制限はなく、入院中の方でも申請できます。
自分の症状が対象になるかどうか判断に迷う場合は、まず主治医に相談することが確実です。さいたま市も「手帳の対象となるか否かは主治医にご相談ください」と案内しており、診断書を作成する医師の判断が審査の基礎となります。
3種類ある障害者手帳の中での位置づけ
「障害者手帳」という言葉は、実は3種類の手帳の総称です。身体障害者手帳、療育手帳、そして精神障害者保健福祉手帳の3つがあり、それぞれ根拠となる法律や対象が異なります。
| 手帳の種類 | 主な対象 |
|---|---|
| 身体障害者手帳 | 身体機能に一定以上の障害がある方 |
| 療育手帳 | 知的障害があると判定された方 |
| 精神障害者保健福祉手帳 | 精神疾患により長期にわたり生活に制約がある方 |
いずれの手帳を持っている場合でも、障害者総合支援法の対象となり、共通の支援策を利用できます。3種類の手帳全体の違いや、どの手帳が自分に当てはまるのかを詳しく知りたい方は、障害者手帳の種類について解説した記事もあわせてご覧ください。この記事では、精神障害者保健福祉手帳にしぼって、等級・メリット・申請の流れを深掘りしていきます。
精神障害者保健福祉手帳の等級(1級・2級・3級)
精神障害者保健福祉手帳の等級は、1級から3級まであります。数字が小さいほど、日常生活や社会生活で必要とされる支援の度合いが大きくなります。
各等級の目安・判定の考え方
等級は、「精神疾患(機能障害)の状態」と「それに伴う生活能力障害の状態」の両面から総合的に判定されます。単に病名や症状の重さだけで決まるのではなく、日常生活をどの程度自分で送れるかという生活面が重視される点が特徴です。
各等級の状態像は、精神保健福祉法施行令第6条で次のように定められています。
| 等級 | 法令上の状態の定義 |
|---|---|
| 1級 | 日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの |
| 2級 | 日常生活が著しい制限を受けるか、または日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの |
| 3級 | 日常生活もしくは社会生活が制限を受けるか、または日常生活もしくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの |
わかりやすく言い換えると、1級は単独での日常生活が困難で常時の援助を必要とする状態、2級は日常生活に著しい制限がある状態、3級は必要なことをおおむね自分で行えるものの状況によって助言や援助を必要とする状態が目安です。申請時に提出する診断書には、食事や金銭管理、通院と服薬、対人関係といった日常生活能力の項目が細かく設けられており、これらをもとに審査が行われます。
等級による受けられる支援の違い
多くの支援は等級にかかわらず利用できますが、一部の優遇措置は等級によって内容が変わります。税制上は、手帳1級の方が「特別障害者」、2級・3級の方が「障害者」として取り扱われると定められており、1級の方は上乗せの控除を受けられます。また、NHK受信料の半額免除や自動車税の減免なども、1級を対象とするものがあります。
「更新のときに等級が変わったら、税金の控除が減ってしまうのでは」と心配される方もいますが、所得税・住民税の障害者控除については2級と3級で金額に差はありません。等級ごとの支援の違いは、次のメリットの章で具体的に見ていきましょう。
精神障害者保健福祉手帳で受けられるメリット
精神障害者保健福祉手帳を取得すると、税金の軽減、公共料金や交通機関の割引、障害者雇用枠での就労など、生活と就労の両面でさまざまな支援を受けられます。支援には、税制優遇や生活福祉資金の貸付のように全国共通で行われているものと、公共交通機関や公共施設の割引のように地域や事業者ごとに内容が異なるものがあります。割引や助成の詳細は、必ずお住まいの自治体の窓口や各事業者にご確認ください。
税金の軽減(所得税・住民税の障害者控除等)
手帳を持っていると、本人または扶養する家族の税負担を軽くする「障害者控除」を受けられます。所得税・住民税の障害者控除の金額は、次のとおりです。
| 区分 | 所得税の控除額 | 住民税の控除額 |
|---|---|---|
| 障害者(手帳2級・3級) | 27万円 | 26万円 |
| 特別障害者(手帳1級) | 40万円 | 30万円 |
| 同居特別障害者(1級で同居) | 75万円 | 53万円 |
精神障害者保健福祉手帳の場合、1級の方が「特別障害者」に区分され、2級・3級の方は「障害者」に区分されます。同居特別障害者とは、特別障害者である同一生計配偶者や扶養親族と同居を常況としている場合の区分で、控除額がさらに大きくなります。住民税(さいたま市の市民税・県民税)の控除額も、特別障害者30万円、同居特別障害者53万円、その他の障害者26万円と定められています。
このほか、相続税には障害者の税額控除があり、85歳になるまでの年数1年につき10万円(特別障害者は20万円)を相続税額から差し引くことができます。
自動車に関する税では、自動車税の減免制度があります。埼玉県の場合、精神障害者保健福祉手帳では1級かつ障害者総合支援法に規定する精神通院医療を受けている方が対象で、障害者1人につき1台に限り、年税額45,000円を上限として減免されます。軽自動車税の減免は市町村が窓口となるため、さいたま市にお住まいの方は市の担当課へお問い合わせください。なお、かつて存在した自動車取得税は2019年に廃止されているため、現在は自動車税の減免として案内されています。
公共料金・交通機関・施設利用の割引
手帳を提示することで、次のような割引・減免を受けられる場合があります。
NHK受信料の減免
鉄道・バス・タクシーなど公共交通機関の運賃割引
携帯電話料金の割引
公共施設(美術館・動物園・公園など)の入場料減免
上下水道料金の減免(自治体による)
生活福祉資金の貸付
公営住宅の優先入居
NHK受信料については、手帳を持っている方が世帯にいて、世帯構成員全員が市町村民税非課税の場合は全額免除となります。また、税制上「特別障害者」にあたる重度の障害者(精神障害者保健福祉手帳では1級)が世帯主かつ受信契約者である場合は、半額免除の対象です。半額免除には、全額免除のような世帯全員が非課税であるという生活状態の要件はありません。
鉄道運賃については、2025年(令和7年)4月1日から、JRグループなどで精神障害者に対する旅客運賃割引制度が導入されました。対象となるのは、手帳の「旅客鉄道株式会社等旅客運賃減額」欄に第1種または第2種の記載がある方で、第1種は手帳1級、第2種は手帳2級または3級にあたります。割引率はいずれも5割です。
| 区分 | 割引になる乗車券 | 取扱区間 |
|---|---|---|
| 第1種の方とその介護者(1人) | 普通乗車券・定期乗車券・回数乗車券・普通急行券 | 全線 |
| 第1種・第2種の方が単独で利用 | 普通乗車券 | 片道100kmを超える区間 |
注意したいのは、第1種・第2種の記載がない手帳、有効期限が切れた手帳、写真が貼付されていない手帳では割引が適用されない点です。さいたま市では、手帳更新の際に新しい手帳へスタンプが押されますが、更新前に記載を希望する場合は、お住まいの区の支援課窓口へ手帳を持参すれば対応してもらえます。JR以外の私鉄については、取り扱いが多少異なる場合があるため各鉄道会社への確認が必要です。
障害者雇用枠での就労
精神障害者保健福祉手帳を取得すると、企業の「障害者雇用枠」に応募できるようになります。障害者雇用枠では、通院への配慮や業務量の調整、体調に応じた勤務時間の設定など、一人ひとりの状態に合わせた合理的配慮を受けながら働ける環境が整えられていることが一般的です。
企業には、一定割合以上の障害のある方を雇用することが法律で義務づけられています(障害者雇用率制度)。民間企業の法定雇用率は、2024年(令和6年)4月に2.5%へ引き上げられたのち、2026年(令和8年)7月1日から2.7%となり、雇用義務の対象となる事業主の範囲も常時雇用労働者37.5人以上に広がりました。
また、週の所定労働時間が20時間以上30時間未満の精神障害のある方については、当分の間、雇用率上1人としてカウントできる特例が設けられています。さらに、週10時間以上20時間未満の勤務も0.5人として算定できるようになりました。フルタイムでの就労が難しい段階でも企業が採用しやすい仕組みが整えられてきており、短時間から働き始めるという選択肢も現実的になっています。手帳を活かして働きたい方にとって、障害者雇用は有力な選択肢の一つです。障害者雇用の仕組みについて詳しく知りたい方は、障害者雇用について解説した記事もあわせてご覧ください。
自立支援医療・障害年金との関係(別制度・併用可)
精神障害者保健福祉手帳と混同されやすいのが、「自立支援医療(精神通院医療)」と「障害年金」です。これらは手帳とは別の制度であり、それぞれ独立して申請できます。自立支援医療による医療費助成や障害者総合支援法による障害福祉サービスは、精神障害のある方であれば手帳の有無にかかわらず利用できます。
自立支援医療(精神通院医療)は、精神疾患の通院治療にかかる医療費の自己負担を軽減する制度です。さいたま市では、自立支援医療と手帳を同時に申請する場合、自立支援医療の医師の意見書が原則不要となる取り扱いがあります。ただし、手帳を年金証書の写しで申請する場合は精神通院医療の必要性を判断できないため、同時申請はできません。制度の詳細は自立支援医療について解説した記事をご覧ください。
障害年金は、病気やけがによって生活や仕事に支障が出た場合に支給される公的年金です。ここで注意したいのが、手帳と障害年金は目的も管轄も異なる別の制度であり、それぞれ独立して審査されるという点です。障害年金には保険料の納付要件などもあるため、手帳が交付されても年金が支給されるとは限りません。
ただし、精神障害を支給事由とする障害年金をすでに受給している場合は、その年金証書の写しを添えて手帳を申請できます。この場合は精神保健福祉センターによる判定を経ずに、年金の障害等級がそのまま手帳の障害等級となります。なお、年金を受給している方でも、医師の診断書による申請を選ぶことは可能です。障害年金の金額や等級の考え方について詳しくは、障害年金について解説した記事をご覧ください。
精神障害者保健福祉手帳の申請方法
ここからは、実際の申請手続きの流れを見ていきましょう。申請は本人が行うのが原則ですが、家族や医療機関の職員などが手続きを代行することもできます。
申請に必要な書類(診断書または年金証書の写し等)
さいたま市の場合、新規申請に必要なものは次のとおりです。
申請書
マイナンバーカード(または個人番号がわかる書類と身元確認書類)
写真1枚(縦4cm×横3cm)
次のいずれか
診断書(所定の様式。精神疾患の診断を初めて受けた日から6か月以上経過していること。取得後おおむね3か月以内のもの)
年金証書(精神障害を支給事由とする年金)の写しまたは年金払込通知書の写し、および同意書
特別障害給付金受給資格者証等の写しおよび同意書
診断書で申請するか、年金証書の写しで申請するかによって、必要書類が変わります。年金証書の写しで申請する場合は、精神障害を理由とした年金であることが条件です。なお、マイナンバーによる情報連携で年金情報を確認できる場合は、証書等の写しの添付が不要になることがあります。
申請の窓口・流れ
申請は、お住まいの市区町村の担当窓口を経由して、都道府県知事または指定都市市長に対して行います。さいたま市にお住まいの方の申請先は、お住まいの区の区役所支援課です。手続きの大まかな流れは次のとおりです。
医療機関で診断書を作成してもらう(診断書で申請する場合)
区役所支援課などの窓口で申請書を受け取り、必要事項を記入する
診断書または年金証書の写し、写真などを添えて窓口に提出する
審査を経て、手帳が交付される
このうち4の審査について、医師の診断書による申請の場合は、各都道府県・指定都市に置かれている精神保健福祉センターが交付の可否と障害等級の判定を行います。判定には原則として精神保健指定医が加わることとされています。一方、年金証書等の写しやマイナンバーによる情報連携で申請する場合は、精神保健福祉センターでの判定は行われません。
なお、さいたま市では、手帳の新規申請時に必要となる医師の診断書の作成費用を補助する制度が設けられています。助成額は実費で、限度額は4,000円です。ただし、手帳の程度変更や等級変更のための申請の場合には所得制限があります。このような独自の助成制度は自治体によって異なるため、お住まいの地域の窓口で確認してみるとよいでしょう。
交付までの期間
申請してから手帳が交付されるまでには、一定の審査期間がかかります。さいたま市の場合、申請から交付まで約2か月かかると案内されています。国の実施要領では、市町村長が申請書を受理した日から交付の可否の決定をおおむね1か月以内に行うことが望ましいとされていますが、医療機関への確認が必要な場合などは、実際にはさらに時間がかかることもあります。手帳が必要な時期が決まっている場合は、早めに準備を始めることをおすすめします。
また、手帳には従来の紙の手帳に加えて、カード形式の様式も設けられています。カード形式は、プラスチックなどの素材で作られ、偽造防止加工や視覚障害のある方が判別しやすい加工が施されたものです。どちらの様式を希望するかは、申請書で選択できます。取り扱いは自治体によって異なるため、窓口でご確認ください。
精神障害者保健福祉手帳の更新・変更手続き
精神障害者保健福祉手帳には有効期間があり、継続して利用するには更新の手続きが必要です。
有効期間は2年ごと(更新の考え方)
手帳に記載される交付日は、市町村長が申請書を受理した日とされ、有効期限はその交付日から2年が経過する日の属する月の末日となります。さいたま市も「有効期間は交付日から2年間」と案内しています。更新を希望する場合は、有効期限の3か月前から更新申請を行うことができます。更新の際は、新規申請と同様に診断書などの書類を提出し、改めて等級の審査が行われます。更新が認められた場合、新たな有効期限は更新前の有効期限の2年後の日となります。
うっかり更新を忘れると、有効期限が切れて手帳の効力が失われてしまいます。ただし、国の実施要領では、有効期限を超過している場合でも更新申請を行うことができるとされています。期限が過ぎてしまった場合もあきらめず、まずは窓口に相談してみてください。
さいたま市では、更新期限が近づくと各区福祉事務所から更新手続きの案内が届きます。ただし、案内の有無や方法は自治体によって異なるため、有効期限は手帳に記載されているので、日頃から確認しておくと安心です。
等級変更・返還の手続き
有効期間内であっても、精神障害の状態が変化して現在の等級と異なる等級に該当すると考えられる場合は、等級の変更を申請できます。この場合も、改めて診断書を取得して申請する必要があります。等級変更が認められた場合、変更後の手帳の有効期限は、変更決定を行った日から2年が経過する日の属する月の末日となります。
また、症状が改善して障害等級に定める状態でなくなったときは、手帳を返還することになっています。手帳を持つことで不利益が生じることはなく、障害が軽減すれば返還したり更新を行わなかったりできる制度である点は、取得を迷っている方にとって安心材料になるでしょう。
このほか、氏名や住所が変わったときは30日以内に変更の届出が必要です。さいたま市では、記載事項変更届(氏名・住所の変更)と再交付申請(紛失・汚損・破損等)について、オンラインでの申請も可能になっています。
よくある質問(FAQ)
手帳の取得を検討する際に、多くの方が抱く疑問にお答えします。
手帳を持つと不利になる?デメリットはある?
「手帳を持つと不利になるのでは」という不安から取得をためらう方もいますが、国立精神・神経医療研究センターの情報サイトでも「精神障害者保健福祉手帳をもつことで、不利益が生ずることはありません」と明記されています。障害が軽減すれば手帳を返すことも、更新を行わないこともできます。
強いて挙げるとすれば、更新のたびに診断書の取得費用や手続きの手間がかかる点や、2年ごとに更新が必要な点が負担に感じられるかもしれません。ただし、さいたま市のように診断書料を補助する制度がある自治体もあります。受けられるメリットと比較して検討するとよいでしょう。
職場に知られる?
手帳を取得したことが、自動的に勤務先に知られることはありません。一般雇用で働いている方が手帳を取得しても、自分から伝えない限り会社に通知されることはありません。
一方で、障害者雇用枠で働く場合や、勤務先で障害者控除の申告を行う場合には、手帳の情報を会社に伝えることになります。どこまで開示するかは、ご自身の働き方や希望に応じて選択できます。障害を開示して働くか(オープン就労)、開示せずに働くか(クローズ就労)は、それぞれにメリットがあるため、じっくり考えて選ぶことが大切です。
生活保護を受けていても手帳は使える?
生活保護を受給している方も手帳を申請できます。むしろ、生活保護制度には障害者加算という仕組みがあり、手帳の障害等級が1級または2級である場合は、手帳による判定で加算の対象となることがあります。詳しい要件は福祉事務所にご確認ください。
手帳を取得して、生活・就労を整えるには
精神障害者保健福祉手帳は、税金の軽減や割引、障害者雇用枠での就労など、生活と就労を支える多くの支援につながる制度です。しかし、手帳を取得しただけで生活や仕事の課題がすべて解決するわけではありません。手帳を「活かして」働き、安定した生活を送るためには、その土台となる生活リズムや、働き続けるための力を整えていくことも大切です。
手帳を活かして働く・生活を整える選択肢
「手帳を取得して障害者雇用で働きたいけれど、いきなり就職するのは不安」という方にとって、生活基盤と働く力をじっくり整えられる選択肢の一つが、自立訓練(生活訓練)です。自立訓練(生活訓練)は、障害のある方が地域で自立した日常生活を送れるよう、生活リズムの安定やコミュニケーション、体調管理などの力を身につけることを目的とした障害福祉サービスです。
メルディアライフネスト浦和(さいたま市浦和区・北浦和駅から徒歩4分)は、この自立訓練(生活訓練)を提供する事業所です。自立訓練の利用後に就労移行支援へ進むことを前提としたプランを組む事業所もあるなかで、メルディアライフネスト浦和では、自立訓練の枠組みの中で就職活動のサポートまで一貫して行える点が大きな特長です。2年間の利用期間の中で、就職や進学に向かうための生活力を身につけることを基本としています。
支援を支えるのは、看護師・臨床心理士・精神保健福祉士・社会福祉士などの専門資格を持つスタッフです。医療・心理・福祉の各分野の専門職が連携し、一人ひとりの状態に合わせたサポートを行います。
プログラム面では、生活全般を整える「ライフプログラム」、実際の生活場面を想定した「ライフシミュレーショントレーニング」、対人関係スキルを段階的に習得する「SST(ソーシャルスキルトレーニング)」、思考の偏りに気づき行動を変えていく「集団認知行動療法」、遊びを通して他者とのコミュニケーションを学ぶ「コネクトプログラム」、少人数で1つのテーマについて話し合い結論を導き出す「グループワーク」、絵や音楽・手作業などで自己表現する「クリエイティブタイム」、軽運動で体調を整える「フィジカルプログラム」、基本操作やOfficeソフトの習得を目指す「ITスキル」、社会生活を円滑に送る上で役に立つ情報を個別に学ぶ「CSP(e-learning)」という10のプログラムを用意しています。
さらに、利用者一人ひとりの「心のしなやかさ」「コミュニケーション能力」「困難に立ち向かう力」を評価する独自指標「EQS」や、自己理解を深めながら豊かな社会生活に向けて症状への対処法を身につけていくマンツーマンのオーダーメイドプログラム「S.I.P(Self-Insight Program)」など、独自の支援も行っています。
1日の流れは、10:00に通所して朝礼から始まり、午前のプログラム、昼休憩をはさんで午後のプログラム、15:00からの振り返りという構成です。個別支援計画はおおむね3か月ごとに見直し、本人の変化に合わせて柔軟に調整します。無理のないペースで生活を整えながら、就職という次のステップに向けて力をつけていくことができます。
メルディアライフネスト浦和で就職活動のサポートまで行いますが、就職までにもっとトレーニングを積みたいという方には、グループ内の就労移行支援「メルディアトータルサポート」へスムーズに支援情報を引き継げる点も強みです。手帳の取得を、その先の生活と就労を整える第一歩として活かしていきましょう。
まとめ
精神障害者保健福祉手帳は、精神疾患により日常生活や社会生活に制約がある方を対象とした手帳制度です。等級は1〜3級に分かれ、精神疾患の状態と生活能力障害の状態の両面から総合的に判定されます。取得すると、所得税・住民税の障害者控除をはじめとする税制優遇、NHK受信料や鉄道運賃などの割引、障害者雇用枠での就労といった、生活と就労を支えるさまざまな支援を受けられます。2025年4月からはJRグループなどの旅客運賃割引も加わり、使える支援の幅は広がっています。
申請は、お住まいの市区町村の窓口(さいたま市の場合は区役所支援課)で行い、診断書または障害年金証書の写しなどを提出します。有効期間は2年で、継続には更新が必要です。手帳の取得は任意であり、障害が軽減すれば返還もできる制度なので、まずは主治医に相談しながら、自分に合った活用の仕方を考えてみてはいかがでしょうか。
そして、手帳を「活かして」生活や就労を整えていくうえでは、自立訓練(生活訓練)のような支援も選択肢の一つになります。一人で抱え込まず、公的な制度や身近な支援を上手に活用しながら、望む生活に向けて歩みを進めていきましょう。
メルディアライフネスト浦和では見学・無料相談を受付中です。お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ:https://mlda.jp/mlninquiry/
この記事はメルディアライフネスト浦和のスタッフが監修しています。
出典一覧
※1 厚生労働省「障害者手帳について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/techou.html
※2 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト」障害者手帳・障害年金
https://kokoro.ncnp.go.jp/support_certificate.php
※3 厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳制度実施要領について」(平成7年9月12日健医発第1132号/令和7年10月29日一部改正)
https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001588745.pdf
※4 さいたま市「精神障害者保健福祉手帳の申請について」
https://www.city.saitama.lg.jp/002/003/004/003/001/p001351.html
※5 さいたま市「精神障害者保健福祉手帳制度について教えてください。」(よくある質問)
https://www.city.saitama.lg.jp/faq/001/002/001/p110353.html
※6 さいたま市「精神障害者保健福祉手帳申請用診断書料の補助」
https://www.city.saitama.lg.jp/002/003/004/003/001/p001348.html
※7 国税庁「No.1160 障害者控除」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1160.htm
※8 さいたま市「所得控除」(個人市民税・県民税)
https://www.city.saitama.lg.jp/001/153/004/002/001/004/p001704.html
※9 国税庁「No.4167 障害者の税額控除」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4167.htm
※10 埼玉県「障害者のための自動車税の減免について」
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0209/z-kurashiindex/z-2-6c.html
※11 NHK「受信料の免除 質問集」
https://www.nhk-cs.jp/jushinryo/menjo/qa.html
※12 さいたま市「JR運賃精神障害者割引制度の導入について」
https://www.city.saitama.lg.jp/002/003/008/p115822.html
※13 厚生労働省「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について」
https://www.mhlw.go.jp/content/001064502.pdf
※14 さいたま市「自立支援医療(精神通院医療)と精神障害者保健福祉手帳の同時申請について」
https://www.city.saitama.lg.jp/002/003/004/003/004/p002648.html





