就労移行支援事業所と就労継続支援事業所の違いとは?A型・B型の特徴と選び方を徹底解説
就労支援サービスについて調べていると、「就労移行支援」と「就労継続支援」という言葉に必ず出会います。「名前が似ていて違いがわからない」「自分にはA型とB型のどちらが合っているのだろうか」と迷ってしまう方は少なくありません 。
結論から言うと、この2つの制度は「支援の目的」と「最終的な目標」が明確に異なります。今の体調、働くことへの不安の強さ、そして将来どのように働きたいかという目標に合わせて、最適な環境を選ぶことが非常に重要です 。まずは、それぞれの基本的な役割を分かりやすく整理していきましょう 。

就労移行支援は「一般企業への就職を目指すための支援」
就労移行支援事業所は、一般企業への就職を目指している方に向けた、いわば「就職に向けた専門の準備スクール」のような福祉サービスです 。
最初から完璧に働ける状態である必要はありません。働くための土台づくりとして、乱れがちな生活リズムを整えるところからスタートします 。その後、ビジネスマナーの習得、パソコン(Word、Excelなど)の操作訓練、応募書類の作成サポート、模擬面接の練習、そして実際の企業での職場実習まで、就職活動に必要なすべてのステップを段階的に進めていきます 。
最大の特徴は、事業所内で働くこと(お金を稼ぐこと)が目的ではなく、「自分に合う仕事を見つけ、無理なく長く働き続ける力を身につける」ことに特化している点です 。
就労継続支援は「働く場や働き続ける機会そのものを支える支援」
一方で就労継続支援事業所は、今すぐに一般企業へ就職することよりも、「まずは体調や障害の特性に合わせて、無理なく働く経験を積みたい」という方に向いている福祉サービスです 。
訓練や就活の準備を中心とする移行支援とは異なり、就労継続支援では事業所が提供する仕事(作業)に実際に取り組みます 。長く仕事から離れていてブランクがある方や、体力面・精神面に不安がありフルタイム勤務が難しい方でも、スタッフの配慮を受けながら、自分のペースで仕事の感覚を取り戻していくことができます 。
A型・B型との関係も最初に押さえておく
就労継続支援には「A型」と「B型」の2種類があり、働き方の仕組みが大きく異なります 。
就労継続支援A型(雇用型):事業所と雇用契約を結んで働くスタイルです。労働基準法が適用されるため、都道府県の最低賃金が保障され、比較的安定した収入を得ながら働くことができます 。ある程度の体力や継続的な通所が可能で、将来的には一般就労も見据えている方に適しています。
就労継続支援B型(非雇用型):事業所と雇用契約を結ばずに働くスタイルです。体力や体調に合わせて週1日、短時間からなど、非常に柔軟なペースで利用できます。作業の対価として「工賃」が支払われます。雇用契約のプレッシャーがないため、心身の安定を最優先にしたい方に最適です 。
つまり、就労移行支援は「一般企業への就職準備」、就労継続支援(A型・B型)は「働く場を利用しながら経験と自信を積む支援」と考えると整理しやすいでしょう 。
就労移行支援事業所と就労継続支援事業所の仕組みとルールの違い
基本的な目的を把握したところで、ここからは「対象者」「利用期間」「雇用契約」「サポート内容」という4つの具体的な仕組みの違いを解説します 。
対象者の違い
利用できる対象者にも違いがあります。
就労移行支援は、原則として18歳以上65歳未満の、一般就労を目指す障害や難病のある方が対象です 。障害者手帳を持っていなくても、医師の診断書や自治体の判断があれば利用できるケースが多く、「働きたいけれど、まずはしっかり準備をして不安を解消したい」という方が広く利用しています 。
就労継続支援は、一般就労での就職が今の段階では難しいと判断された方が対象となります 。A型は原則18歳以上65歳未満の方が対象ですが、B型には年齢制限がありません。特別支援学校を卒業してそのまま利用する方や、年齢を重ねて体力に不安を感じるようになった方まで、幅広い年代の方が利用しています。
利用期間の違い
サービスを利用できる「期間」も重要な比較ポイントです。
就労移行支援は「最長2年間(原則)」という期間制限が設けられています 。これは、ダラダラと通い続けるのではなく、明確なゴール(就職)に向けて計画的にカリキュラムを進めるためです 。※特別な事情があり、市町村が認めた場合は最長1年間の延長が可能なケースもあります。
これに対して就労継続支援(A型・B型)には、原則として利用期間の制限がありません 。数ヶ月で次のステップへ進む方もいれば、数年にわたって安定した生活の拠点として通い続ける方もいます。自分の体調や状況に合わせて、長期的な視点で安心して利用できる仕組みになっています 。
雇用契約の有無と給料(工賃)の違い
働き方と収入の仕組みは、生活設計に直結する重要な要素です 。
就労移行支援は「学校」のような位置づけであるため、事業所と雇用契約を結ぶことはなく、原則として給料は発生しません 。※自治体や事業所によっては、交通費や昼食費の補助が出る場合はあります。
一方、就労継続支援A型は雇用契約を結ぶため「給料(最低賃金以上)」が支払われます 。就労継続支援B型は雇用契約を結ばないため、作業の成果に応じた「工賃」が支払われます 。
受けられるサポート内容と定着支援の違い
日々の過ごし方や、スタッフから受けられるサポート内容も異なります 。
就労移行支援では、自己分析、ストレス対処法(アンガーマネジメントなど)の学習、履歴書の添削、ハローワークへの同行など、就職活動全般の強力なバックアップを受けられます 。さらに重要なのが、就職して終わりではなく、就職後も最長3年間にわたって職場に定着できるようサポートしてくれる「就労定着支援」を受けられる点です。職場で生じた人間関係や業務の悩みをスタッフが間に入って調整してくれるため、離職率を大幅に下げる効果があります 。
就労継続支援では、データ入力や軽作業、農作業、パンの製造・販売など、実際の業務を通じて「働く感覚」を身につけるサポートが中心です 。定期的な面談を通して体調管理や生活リズムの安定を図り、無理なく仕事を続けられる環境づくりを第一に支援してくれます 。
就労移行支援事業所と就労継続支援事業所のメリット・デメリット
それぞれの制度には、強みとなるメリットと、利用前に知っておくべき注意点(デメリット)があります。ネガティブな要素も、見方を変えれば自分に合った環境を選ぶための重要な判断材料になります 。
就労移行支援のメリット
最大のメリットは、一般企業への就職に向けた専門的で体系的な準備を、一人ではなくプロと二人三脚で進められることです 。「働きたいけれど、何から手をつければいいか分からない」「面接で障害についてどう伝えればいいか不安」という方にとって、専門知識を持ったスタッフが応募書類の作成から面接対策まで徹底的に伴走してくれる環境は、非常に心強いはずです 。就職後の職場定着サポートがあることも、大きな安心材料となります 。
就労移行支援の注意点と対策
注意点としては、利用期間(原則2年)が決まっているため、人によっては「早く就職しなければ」と焦りを感じてしまうことがある点です 。また、決まった日時に通所するカリキュラムが組まれることが多いため、体調の波が激しく、外出が困難な日が多い方にとっては負担に感じるかもしれません 。
しかし、この焦りやプレッシャーは、スタッフと綿密に個別の支援計画を立てることで解消できます。「週2日の午後だけ」といった無理のないペースから始められる事業所も多いため、まずは自分の限界をスタッフに共有し、スモールステップで進めることが成功の秘訣です 。
就労継続支援のメリット
就労継続支援の強みは、何よりも「今の自分の状態に合わせて、プレッシャーを感じずに働く経験を積める」ことです 。長期間仕事から離れていた方が、いきなり一般企業で働くのは非常にハードルが高いものです 。体力や集中力の波をスタッフに理解してもらいながら、自分のペースで「できること」を少しずつ増やしていけるため、失いかけていた「働くことへの自信」を確実に取り戻すことができます 。
就労継続支援の注意点と対策
一般企業への就職準備に特化した施設ではないため、本格的な就職活動(履歴書の書き方や高度なPCスキルの習得など)のサポートは、就労移行支援に比べると手薄になる傾向があります 。また、B型の場合は工賃が比較的低額になるため、自立した生活費をすべて賄うのは難しいという側面があります。
ただし、これは「今は心身の回復と安定を最優先する時期」と割り切れば、決してネガティブなことではありません。まずはB型で生活リズムと自信を取り戻し、その後A型へステップアップしたり、就労移行支援へ移って一般就労を目指したりと、段階的なルートを描くことも十分に可能です 。
どっちが向いている?ケース別にわかる選び方
ここまで解説した違いを踏まえ、ご自身の状況や希望に当てはめて、どちらの支援が向いているかをケース別に見ていきましょう 。
一般企業への就職を目指したい人は「就労移行支援」
「できれば一般企業(障害者枠を含む)で働きたい」「自分の適性がわからないので、色々な訓練を試してみたい」「履歴書作成や面接の練習までしっかり支えてほしい」という明確な目標がある方は、就労移行支援事業所が最適です 。就職したい気持ちはあるものの、一人でハローワークに行く勇気が出ない方や、過去に短期離職を繰り返してしまい、今度は長く定着したいと強く願う方にとって、最も強力なサポーターとなってくれます 。
まずは体調や生活リズムを整えながら働きたい人は「就労継続支援」
「いきなり一般企業での就職活動は不安が大きすぎる」「週5日働く体力がない」「まずは無理のないペースで、人と関わりながら働く感覚を取り戻したい」という方には、就労継続支援事業所(A型またはB型)が合っています 。今の自分にとって大切な目標が、就職そのものよりも「家から出て活動する習慣をつけること」や「働き続けるための土台づくり」であるならば、就労継続支援は非常に現実的で優しい選択肢となります 。
働くことに不安が強い人は「将来」より「今の自分」から逆算する
制度選びで迷ったときは、「将来どうなりたいか」という理想だけでなく、「今日の自分に何ができるか」を基準に考えることが失敗しないコツです 。
週に何日くらいなら、安定して外出できそうか?
朝決まった時間に起きることはできているか?
人とコミュニケーションを取ることに強いストレスを感じないか?
これらの現状を冷静に整理することで、自分に不足している要素や、今すぐ必要な支援の形が見えてきます。理想だけを追い求めて急にハードルを上げると、心身のバランスを崩してしまうリスクがあります。今の状態から無理なく伸ばせる環境を、焦らずに選びましょう 。
初心者がつまずきやすいポイントと、よくある誤解
就労支援サービスを検討する際、ネット上の情報などで誤解を抱いてしまうケースがあります。よくある疑問を解消しておきましょう 。
「就労継続支援を使うと、もう一般就労できない」は誤解
「一度でもA型やB型に入ってしまうと、ずっとそこに居続けなければならず、一般企業への就職への道が絶たれるのでは?」と心配される方がいますが、これは大きな誤解です 。
就労継続支援は、働く経験を積みながら自分に合う働き方を見つけるためのステップでもあります。実際に、B型で少しずつ体力をつけ、その後A型に移行してスキルを磨き、最終的に一般企業へ就職を果たしたという方は数多くいらっしゃいます。今の段階で必要なステップを踏むことは、決して遠回りではありません 。
「就労移行支援と就労継続支援は併用できる?」という疑問
「移行支援で就活の準備をしながら、B型で工賃も稼ぎたい」と併用を希望される方がいますが、原則として、障害福祉サービスにおいて「日中活動系のサービス(就労移行と就労継続など)」を同じ時期に複数併用することはできません。
ただし、お住まいの市区町村が「段階的な移行のために必要」と特別に認めた場合に限り、短期間の併用が許可される例外ケースも稀に存在します。基本的には「今の自分に一番必要な支援を一つ選ぶ」か、「B型から移行支援へ順番に切り替える」というルートになります。
「就労移行支援のほうが格上・優れている」という考え方は危険
支援の仕組みを調べていると、「B型 → A型 → 就労移行支援」という順番が、まるでピラミッドのような優劣のランキングに見えてしまうことがあります 。
しかし、これらに優劣はありません。目的が全く違うだけです 。一般就労を目標にバリバリ準備を進めたい方には就労移行支援が素晴らしい環境ですが、心身の安定を求めている方に無理に移行支援を勧めても、途中で通えなくなってしまいます 。他人の評価や制度のイメージではなく、「自分にとって心地よいか、無理がないか」を最優先にしてください 。
失敗しない!利用前に確認したい4つのチェックポイント
制度の違いを理解したら、次は実際の事業所選びです。見学や面談に行く際、必ずチェックしていただきたい4つのポイントを紹介します 。
1. 通所頻度と体力に柔軟に合わせてもらえるか
就職の意欲があっても、実際に通い続けられなければ意味がありません 。最初は週1〜2日の午後のみといった短い時間からスタートできるか、疲れが出たり体調を崩したりした際にお休みやスケジュールの調整に柔軟に応じてもらえるかを確認しておくと安心です 。
2. 就職サポート(または作業)の内容が具体的か
就労移行支援を検討する場合は、「具体的にどんなPCソフトが学べるか」「事務系か軽作業系か、どちらの訓練に強いか」「面接同行はしてくれるか」を確認しましょう 。就労継続支援の場合は、「自分の障害特性や体力でも取り組めそうな作業内容か」をしっかり見極めることが大切です 。
3. スタッフとの相性、相談しやすい雰囲気か
長く通う場所になるため、人間関係は非常に重要です 。困ったときや体調が悪いときに、気兼ねなく相談できる雰囲気があるか、高圧的な態度をとるスタッフはいないか、事業所全体がピリピリしていないかを感じ取ってください 。
4. 見学・体験利用で実際の空気感を確かめる
パンフレットやWebサイトの綺麗な写真だけでは、実際の事業所の空気感や利用者の表情は分かりません 。少しでも気になる事業所があれば、必ず見学に行き、可能であれば数日間の体験利用を申し込んでください 。実際に足を運んで「ここなら自分も続けられそう」と直感的に思える場所を選ぶことが、後悔しない最大の秘訣です 。
メルディアトータルサポートで相談するときに見ておきたいポイント
「自分にはどちらが合うのか、一人ではどうしても決めきれない」と悩んでしまうのは当然のことです。そのような場合は、一人で抱え込まず、障害者の就職と職場定着を専門的に支援している機関に直接相談してみることを強くおすすめします 。
例えば「一般財団法人メルディア」が運営するメルディアトータルサポートでは、障害をお持ちの方の就職から、長く働き続けるための定着支援までを一人ひとりの状況に合わせて徹底的にサポートしています 。
就職に向けた具体的な支援内容をプロと確認できる
事業所を選ぶ上で最も重要な「就職するために、具体的にどんなサポートをしてくれるのか」という疑問に対し、的確な道筋を示してくれます 。生活リズムの安定から始まり、実践的なスキルトレーニング、ハローワークへの同行や応募書類の作成、そして就職後の職場定着支援に至るまで、手厚い支援体制が整っています。具体的なサポート内容は、[就労支援内容のページ]で詳しく確認できます 。
見学や無料相談を通して、自分との相性を確かめられる
制度の仕組みを頭で理解しても、最終的な決め手は「この場所で、このスタッフたちと一緒なら頑張れそう」という安心感です 。メルディアトータルサポートでは、見学や事前の相談を通じて、あなたが抱えている些細な不安や疑問を丁寧にヒアリングし、整理してくれます 。迷いや不安がある方は、まずは一度プロと話をしながら、自分らしい働き方を見つけるための第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか 。
▼今すぐ相談したい方はこちら 【メルディアトータルサポート】公式サイト: https://mlda.jp/mtsinquiry/





