日常の中のカタルシス
こんにちは。カウンセラーの小川です。
最近、飲食店の注文がQRコードからだったり、配膳ロボットが運んできたりするお店がじわじわ増えてきました。
配膳ロボも最初は「わー」なんて盛り上がっていたのですが、もはやちょっと残念に思うようになってきました。
セルフレジも人手不足の問題などいろいろあるのはわかりつつも、ますますコミュ障が増えていくだろうな、とか、人と人のちょっとした交流も大事だよね、などとぶつぶつ考えることがあります。
ということで今回は、日常の中の、ちょっとしたことのように思えることが大切なのでは、という視点でお送りします。
カタルシス効果とは
「カタルシス」は、元々ギリシャ語で「浄化」を意味します。
涙を流したり、怒りや哀しみを吐き出したり、抑圧された感情や記憶を意識化し、表現することで心の健康が回復すると考えられています。
但し、怒りの感情に関するカタルシスについては、現代の研究では賛否両論あるとのことです。怒りをそのままぶつけても、攻撃性が増すこともあると言われています。
精神疾患の治療領域においてもカタルシスは重要な要素となりますが、大げさなことではなく、日常的に、自分の思いを外に出す、言葉にする、受け取ってもらう、そのような日常の交流や感情の表出が、軽やかなカタルシスを生んでいるよね、と思ったので、今回はだいぶ「カタルシス」を広義に捉えてこの言葉を使わせていただきます。
日常の中のカタルシス
では、日常の中でカタルシス効果が発揮される場面は、どんな時でしょうか。
例えば
- 友人や知人と食事に行っておしゃべりする
- 家族との団らん中に今日あったことを話す
- 職場の人と、休憩中に雑談や仕事であった出来事などを軽く話す
- お店の人と何気ない会話をする
- 好きな音楽やアート、ドラマを鑑賞・視聴して泣いたり笑ったりする
こうした日常の中のちょっとしたことがきっかけで、心がふっと軽くなった経験はありますでしょうか。特に最初の3つは人間関係がベースにあるので、ほとんどないです、という方もいらっしゃると思います。
漠然となんか元気が出ないなとか、なんとなく孤独感がある時、実はこうした気軽なカタルシスが最近なかったんだな、ということに思い当たることがあります。
単純に忙しい時や余裕がない時にも陥りがちかもしれません。
心の元気を回復する
なんとなく心の元気が出ないとか、イライラすることが多いという時、もしかしたら日常の中のカタルシスを感じる機会が少ないことで、自身のメンタルヘルスを良い状態に保ちづらくなっているのかもしれないということも、一つの可能性として考えてみて下さい。
元気が出ない時は、よくよく考えるとどこかしらに原因やきっかけらしきものが思い当たるはずです。(人によってはそれが、気候や環境変化、ホルモンバランスということもあります)
それが、「あ、気軽なカタルシスが足りてなかったじゃん!」と思い当たるのであれば、そこを補充しましょう。上に記載した日常の中のカタルシス例を参考にしてください。
ちょっとしたことが自分や人を支えていることは大いにあります。それをおざなりにしないでいられたらと思います。
わかっていはいてもそれが難しいんだよ、という方は、カウンセリングでご相談くださいね。カウンセリングは完全個別なので、いろいろ気にしすぎて誰に話したらいいのやら、という方はお聴きしますので遠慮なくいらしてくださいね。
一緒に元気回復のための行動を考えたり、カウンセリングで話すことでカタルシス効果が生まれれば幸いです。
よい一日を。