人はお返ししたいしお返しがほしい生き物
こんにちは。カウンセラーの小川です。
気候も気分も、上がったり下がったりの今日この頃です。
インスタグラムでは極力気軽なセルフケアを掲載しようと思って作っているのですが、私も実際にやっています。全部を常に、ではないですが、「悩んだら寝る」が一番よくやっているかもしれません。クヨクヨしたら、そうだ、寝るんだった、と思い出します。取り組みやすいセルフケアは個人個人異なるので、合うものを見つけたいですね。
返報性の法則はお返しの法則
さて今日は、人はお返ししたいしお返しがほしい生き物、というテーマでお送りします。
「返報性の法則」という言葉を聞いたことはありますか。
- 好意の返報性⇒好意を示してくれる人にはこちらも好意的になる
- 譲歩の返報性⇒譲ってくれた人にはこちらも譲りたくなる
- 敵意の返報性⇒敵意を向けてくる人にはこちらも敵意を返したくなる
- 自己開示の返報性⇒自分のことを話してくる人がいると、こちらも話してしまう
いかがでしょうか。
本当に、良い面でも悪い面でも人は何かをもらったらお返ししたくなる生き物なんだなぁと思います。
全部が全部あてはまる訳ではない時もありますが、経験上思い当たるところがある方も多いのではないでしょうか。
お返しの具体例
●好意の返報性
- あの人はいつもお土産くれるから、次わたしが旅行行ったら何か買ってこなきゃ。
- あの人はいつも親切にしてくれるから、何か御礼しよう。
●譲歩の返報性
- 5千円のものを5割引にしてくれたから、買わないと悪い。
- 前回は私の希望を通してくれたので、今度は相手の希望を聞こう。
●自己開示の返報性
- あの人は自己紹介で自分の趣味についてずいぶん色々話してくれた。こちらももっと何か話さなきゃ。
- Aさんが自分の失敗談を話してくれたからホッとして、私もこんなことがあってね、と話した。
●敵意の返報性
- Aさんがなんとなく冷たいので、自分もAさんに話しかけなくなった。
- ネットで自分のことを悪く書き込まれ、書き込み返したくなった。
お返しはマストなの?
それではお返しの法則を使えば自分の思う反応が返ってくるのでは?と思い、好意的にしてみよう、譲ってみよう、自己開示してみよう、としても、うまく行かないことがあります。
よく起こりがちなのが、「私はこんなにやってるのに~してくれない」です。
つまり、人は自然とお返しを期待してしまうところがあるので、これだけやったらこれだけ返ってくるだろう、と思います(意識している、いないに関わらず)。
それが期待の半分も返ってこないことで、すれ違いであったり、不和につながることがあります。
”普通こうしたらこうするだろう”という自分主体の期待があり、それが返ってこないと怒りや哀しみにつながるんですね。
お返しはマストかというとそうではないのですが、対人関係の難しいところです。期待しすぎかなと思っても、さすがに何も返ってこないとやる気も失せますし、もういいや、プイ!となってしまうこともありますよね。
お返し問題は複雑
お返し問題で悩みが生じるとすると、大きく分けて2つあるのではと思ったので挙げてみます。
- 何かされると本当はしたくもないのに返そうとしてしまう
- 何かをして期待のものが返ってこないとイライラする、怒る、悲しくなる
1が自分かもしれない、と思う方は、律儀なところは長所とも言えますが空気を読み過ぎるところがあり、「本当はしたくもないのに」という点がしんどいですよね。返さなかったとしても、罪悪感やうしろめたさでいっぱいです。相手からの期待や要求が強い場合も考えられます。
2が自分かもしれない、と思う方は、ご自身が期待しすぎ、求めすぎのケースと、相手がコミュニケーションがうまくとれない人であるということの両方が含まれると思います。お返し欲しかったんだね、気づかなかった!という場合です。
もちろん2パターンだけではないですし一例ですが、自分にはこういうところがあるな、と気づくまでにカウンセリングでも時間がかかることが多いです。
心当たりのあるクライエントさんは、私はこれかもしれません、とカウンセリング時に伝えていただければと思います。
少しでも気持ちが楽になるように、一緒に探っていきましょう。
よい一日をお過ごしください。