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自分の特性の良い面も悪い面も、発達障がいの視点から認識してプラスに

トピックス2024年08月26日


著書「発達障害の子どもたちは世界をどう見ているのか」にて、不登校になってしまう子どもたちや学校環境について語る精神科医・岩波明先生。「我々はきっかけです。特性をうまくプラスに変えて、社会で普通に暮らしていくきっかけとなれれば」。

もしかしたら発達障がい・・?という時に手に取ってもらいたい

 精神科医の第一線として多数の著書を出版している岩波先生に「発達障害の子どもたちは世界をどう見ているのか」(SB新書,2023)について話を聞きました。どのような内容の本なのでしょうか。発達障がいはだいぶポピュラーになり、なんとなくわかっている方は多いと思いますが、実際、『何が問題で何が問題ではない』、『どういう人に診断がついて、どういう人に診断がつかない』というところはあまり浸透していないですし、誤解も多い状況です。本書では小児期に見られる発達障がいの主なものと、それに関する症状や経過について、またそれぞれの疾患におけるお困りごとに対してどう対応していったらいいかについて述べています。ですので、ご自身のお子さんや、身近な人がもしかすると発達障がいかもしれない、あるいは周りから自身が指摘されたといった場合に、手に取っていただければ参考になるかなと考えています。

 今回、子どもから大人まで網羅するような内容ではありつつ、特に子ども中心の内容になっています。私は普段、小児期を担当しているわけではないのですが、どんな大人であっても子ども時代はあったわけで、その時の症状や治療が大人に影響を与えている。ということはやはり子ども時代が重要です。また、本人に対してだけでなく、家族も含めた全体へのケアが大事だと考えているので、そういう思いを込めて執筆しました」と話します。

受診の前にまずは親に「発達障がい」を知ってほしい

 発達障がいについて様々な情報をインターネットでも調べられますが、受診するタイミングを迷われる方もいるのではないでしょうか。すでに学校の先生から相談や受診をすすめられているケースであれば、積極的に専門機関に相談に行く、受診するということが望ましいと言いますが、現実にはそういったケースはそれほど多くないようです。「親から、あるいは身近な人から見て、発達障がいの可能性がありそうだという場合は、まずは知ることが大切です。お子さんを受診させるかどうか考える前に、ある程度発達障がいとはどういうものか、今どういう問題が起きているのかを親御さんが認識する。そのために最初は親御さんだけの相談というのもありだと思います。インターネットの情報だけに左右されず、しっかりした内容の書籍や記事を可能な範囲で読んでいただいて、自分のお子さんと照らし合わせて考えることが必要だと思います」とのこと。

 診察において特に近年増えてきた、変わってきた傾向などはあるのでしょうか。「中学生ぐらいの子どもの不登校は非常に増えていると感じます。色んなケースがありますが、学校の課題が非常に多く、適応しきれない、その辺りが上手くいかず、引きこもってしまうようなケースは少なからずあります。ですが、我々のところに来てくれる人は、頑張りたい、回復したいという意思がそれなりにある方たちなので、そういう場合は上手く場所を与えてあげれば、中学高校不登校でも、大学に進学するといったケースもあります」。小中学校の存在は子どもにとってとても大きいと話す岩波先生。「私がよく話しているのですが、果たして今のままの小・中学校の体制でいいのか。特に小学校のクラスの人数を減らすべきだと考えています。小学校くらいで障がいの特性のある子を個別対応してあげることができれば、適応できる、能力が伸びるお子さんも多数いらっしゃると思うんです。今のままだと、発達障がいの子は置き去りにされ、時にはいじめられ、不登校になるという状況を生み出してしまいます。こうした現状には声を上げ続けたいと思います」と語ります。

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