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野田聖子議員インタビュー:母として、政治家として、未来への想い

トピックス2025年03月31日

政治家、そして母としての両面を持つ参議院議員・野田聖子議員。仕事と育児を両立しながら、障害のある息子と向き合う日々の中で感じた福祉の課題や政治への想いを語ります。彼女の経験が生む政策の変化や未来への展望に迫ります。

障害のある息子を持つ一人の母として
家族の支えを借りてこなす仕事と育児

「私の母親度は世の中でいう10点満点で4点くらいですね」。 そう率直に語る野田聖子議員。彼女は仕事と育児を両立しながら、政治の最前線で活動を続けています。息子さんが生まれる前から衆議院議員として活躍し、当初は女性議員が極端に少ない環境に身を置いていました。
「私が議員になった頃、自民党の衆議院議員で女性は私と田中真紀子さんの2人だけ。田中真紀子さんはとてもパワフルで性別を超えたような方なので、実質的に女性議員は私だけと言えるくらいでしたね」と振り返ります。
政治の世界は多忙を極め、特に若い頃は日々の活動や会合で24時間を費やす日々だったといいます。しかし、議員としての経験を重ねベテラン議員となったことで、ある程度時間を管理できるようになり、息子さんとの時間を大切にできるようになりました。「今は自分でスケジュールを決められるので、仕事と息子の時間のバランスを取れるようになりました」。
仕事と家庭の両立については、野田議員の夫の協力が大きな支えとなっていると言います。「うちは逆転夫婦ですね。夫が主夫をしてくれているので、私が仕事に専念できる。そのおかげで、議員としての責務を果たしながらも母として息子の成長を見守ることができるんです」。

息子の障害をサポートしつつ彼の選択を尊重

野田議員の息子さんには身体障害や知的障害があり、日常生活の中で困難に直面することもありますが、それ以上に楽しい瞬間も多いと語ります。息子さんは特にお笑いが大好きで、芸人・中川パラダイスさんの大ファン。「今年の目標は中川パラダイスさんに対面すること!」と息子さんは意気込んでいるそうです。
また、ゲームや音楽にも興味があり、一度興味を持ったことにはとことん夢中になる性格だといいます。日常生活では、自立をサポートしながらも、なるべく息子さんの意志を尊重するよう心掛けているといいます。「親として手助けしたい気持ちはあるけれど、彼が求めているものと私が『彼のため』と思って用意するものが違うこともあります。そういう時は、彼の選択を大事にするようにしています。例えば、テレビゲームのコントローラーでいうと、息子は片手に麻痺があるので片手で使えるコントローラーを見つけて、『よし、これだ!』と思って買ったら使わないんです。片手を駆使して通常のコントローラーで、始めはすぐにゲームオーバーになりながらも楽しそうに何回もやって上達していくんです」。


野田議員と息子さん

障害児を育てる当事者としての経験が政治に与えた変化

息子さんを育てる中で、野田議員は日本の福祉制度に多くの課題を感じています。「息子には私がいなくなったときに社会的にマイノリティーな立場でも生き残る術を身に付けてもらうために、他者と関わることを今から大切にして自分に強さを持ってほしいと思っています。ただ、やはり障害児をもつ親の共通の課題は親亡き後です」と話します。
「18歳までは教育や福祉の支援がありますが、18歳を過ぎると急に福祉の枠組みから外れ、支援が途切れてしまう。これは『18歳の壁』と呼ばれる大きな課題です。結果として、親がずっと子どもの面倒を見続けなければならず、仕事を続けることが難しくなる家庭も多いんです」。
また、障害児の育児を通して、野田議員自身の政治家としての意識も大きく変わったといいます。「息子が生まれるまでは、社会的に弱い立場の人を支援する政治をしたいと思っていたけれど、当事者として経験することで初めて本当に理解できたことが多いです。彼のおかげで政治家として、より実感のこもった政策を提案できるようになりました。例えば、私たちが普通に使っている道路でも、車いすや歩行が困難な子にとっては小さな段差など、まだまだ不便を感じる部分があるわけです。そういった障害のある人に何が必要かということを、息子という鬼コーチのような存在が常に気づかせてくれるんです」。
さらに、社会の意識も変えていく必要があると指摘します。「障害者福祉は、健常者にとって『遠い世界』の話に感じられることが多いですが、本当は誰にとっても関係のあること。支援の充実だけでなく、社会全体の理解を深めることが重要です。そうして、障害者のことを正しく理解して、彼らが金食い虫じゃないって分かってほしいんです」。


(右)野田議員と(左)当財団事務局長 永野周平

野田聖子
衆議院議員(岐阜1区選出)。1987年に岐阜県議会議員となり、1993年に衆議院議員初当選。総務大臣や自由民主党幹事長代行などを歴任。障がいを持つ息子の母として福祉政策にも注力している。

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