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就労移行支援・就労継続支援A型・B型の違いをわかりやすく解説


2026年04月1日

「就労移行支援事業所、就労継続支援A型、B型って何が違うの?」「今の自分の体調や状況には、どのサービスが一番合っているのだろう?」

名前が似ているぶん、こうした疑問を持つ方は決して少なくありません。障害福祉サービスの制度は複雑に見えるため、違いがわからないまま事業所を選んでしまい、「思っていた支援内容やペースと違った」というミスマッチが起きてしまうこともあります。

この記事では、障害者総合支援法に基づく3つの就労系サービス(就労移行支援・A型・B型)について、それぞれの対象者、働き方、利用の流れ、そして後悔しない選び方までを体系的に整理して解説します。最後までお読みいただくことで、これから目指すべき働き方と、自分に最も合う支援の方向性がはっきりと見えてくるはずです。

A型orB型

まず押さえたい基本——3つの制度はどう違う?

就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型の3つは、いずれも国が定める「障害者総合支援法」に基づく就労系の障害福祉サービスです。名前こそ似ていますが、設定されている目的や最終的なゴール、そして日々の支援の形は根本的に異なります。

まずは、それぞれの事業所がどのような役割を持っているのか、大枠の基本を把握しておきましょう。

就労移行支援事業所とは

就労意欲があるものの、障害や難病などが理由で、今すぐ一般企業で働き始めることに不安や困難を感じている方を対象としたサービスです。一般就労(企業への就職)を最終目標とし、そこへ向けたトレーニングやサポートを集中的に提供します。

事業所内では、毎日の生活リズムを整える基礎的な訓練から始まり、パソコンスキル(データ入力や文書作成)の習得、ビジネスマナー講座、自己理解を深めるプログラムなどが行われます。さらに、履歴書や職務経歴書の作成サポート、模擬面接、実際の企業での職場実習、ハローワークへの同行など、就職活動そのものを強力にバックアップします。

「今すぐ働く場所」というよりは、「将来、長く安定して働くための土台とスキルを作る学校のような場所」と理解するとわかりやすいでしょう。

就労継続支援A型とは

一般企業への就職には現時点で体力面や精神面での課題があるものの、事業所と「雇用契約」を結んで働くことが可能な方を対象としたサービスです。

最大の特徴は、利用者が事業所と直接雇用契約を結び、「労働者」としての立場になることです。そのため、労働基準法が適用され、各都道府県が定める最低賃金以上の給料(給与)が保障されます。仕事内容は事業所によって異なり、カフェやレストランでの接客・調理補助、パソコンを使ったWeb制作やデザイン、商品の梱包や軽作業など多岐にわたります。

専門のスタッフによる配慮や支援を受けながら、実際の業務を通じて働く経験を積み、安定した収入を得たい方に向いている制度です。

就労継続支援B型とは

一般企業での就労や、雇用契約に基づくA型での就労が現時点では困難な方に対して、サポートを受けながら自分のペースで生産活動や軽作業を行う機会を提供する場所です。

A型とは異なり、事業所と雇用契約を結びません。そのため、労働の対価は給料ではなく「工賃」という形で支払われます。仕事内容は、手芸品の制作、パンや焼き菓子の製造、農作業、簡単な部品加工など、比較的負担の少ない作業が中心です。

週1日、短時間から通い始めるなど、自分の体調や通院事情に合わせてスケジュールを柔軟に調整しやすいのが特徴です。まずは家から出て外出の習慣をつけたい方や、心身の調子を整えながら少しずつ働く喜びを感じたい方に適しています。

3つの制度の「目指す形」の違い

就労移行支援:一般企業への「就職」に向けた知識とスキルを身につける準備の場。

就労継続支援A型:雇用契約を結び、支援を受けながら「労働者」としてしっかり働く場。

就労継続支援B型:雇用契約を結ばず、体調を最優先にして自分のペースで作業経験を積む場。

制度の違いは単なる名称の違いではなく、「将来、自分はどのような働き方や生き方を目指したいか」という目的によって整理することができます。

対象者の違い——今の自分とこれからの目標で考える

どの制度が自分に合っているかを見極めるうえで最も重要な視点は、「現在の体調や能力」と「これから目指したい働き方の目標」という2つの軸で考えることです。対象年齢や利用条件も制度によって異なります。

就労移行支援事業所が向いている人

一般企業への就職を強く希望しており、働くための準備を段階的に、かつ確実に行いたい方に向いています。「働きたい気持ちは十分にあるけれど、人間関係の構築が苦手でいきなり就職するのは怖い」「休職期間やブランクが長く、就職活動の正しい進め方がわからない」といった悩みを抱える方が主な対象です。

対象年齢は原則18歳以上65歳未満(64歳以下)です。利用にあたっては、一般企業での就労が見込まれることが条件となります。なお、現在すでに企業に就職している方は原則として対象外ですが、一定の条件を満たせば、休職中であっても復職に向けたリハビリとして利用できるケースがあります。

A型が向いている人

一般企業での就労はハードルが高いと感じているものの、雇用契約のもとで責任を持って働き、自立に向けたある程度の収入を得たい方に向いています。

A型事業所では、1日4時間以上・週5日程度など、あらかじめ決められたシフト通りに安定して出勤することが求められる傾向にあります。そのため、体調の波が比較的落ち着いており、継続的に通勤できる体力が備わっていることが利用の目安となります。対象年齢は原則18歳以上65歳未満ですが、利用開始時の年齢要件などを満たせば、65歳以上でも継続して利用できる場合があります。

B型が向いている人

体調の波が大きく、毎日決まった時間に長時間の勤務をこなすことに不安があり、まずは無理のない範囲で社会との接点を持ちたい方に向いています。

B型の利用にあたっては、厚生労働省の「障がい者の就労支援について」に基づき、原則として以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

過去に就労経験があるが、年齢や体力、障害の状態の変化によって一般企業への就労が困難になった方。

50歳以上の方、または障害基礎年金1級を受給している方。

上記に該当しない方で、就労移行支援事業所などによるアセスメント(事前の評価・見極め)を通じて、就労面の課題が把握され、B型の利用が妥当と判断された方。

特別支援学校を卒業してすぐにB型を利用するケースも増えています。また、B型には年齢上限の制限がないため、高齢になっても生きがいとして長く利用し続けることが可能です。

仕組み・働き方・利用期間の比較

それぞれの制度の仕組みを、より具体的なルールや条件の面から比較してみましょう。

雇用契約の有無——最大の違い

前述の通り、A型は事業所と雇用契約を結ぶため、労働基準法が適用され、最低賃金以上の「給与」が支払われます。一方、B型は雇用契約を結ばないため、作業の対価は「工賃」として支払われます。工賃の額は事業所の収益や作業内容によって異なります。

就労移行支援はあくまで「訓練・学習の場」であるため、原則として給与や工賃は発生しません(ただし、一部の事業所では実習に際して独自の工賃や交通費補助を出している場合もあります)。

利用期間の違い

就労移行支援の利用期間は、原則として「2年間(24ヶ月)」と厳格に定められています。この2年という限られた期間内で集中的に訓練を行い、就職を目指すのが基本ルールです。ただし、あと少しで就職が決まりそうなど、市区町村が「合理的な理由がある」と審査で認めた場合に限り、最大1年間の利用期間延長が許可されることがあります。

一方、A型とB型には利用期間の制限がありません。利用者の体調や生活状況、年齢の変化に合わせて、必要とする限り継続して利用することが可能です。

同時利用はできる?

「就労移行支援を受けながら、空いた日にB型で工賃を稼ぐ」といった、複数制度の同時利用(併用)は原則として認められていません。

しかし、制度間の「移行(切り替え)」は可能です。例えば、B型で体力をつけてからA型へステップアップする方や、A型での実務経験に自信をつけて就労移行支援へ移り、最終的に一般企業へ羽ばたく方も多くいらっしゃいます。逆に、就労移行支援を利用したものの、現時点では一般就労は負担が大きいと判断し、A型やB型へ移行して働き続けるという選択肢もあります。

就職後のサポート「就労定着支援」について

就労移行支援などを利用して念願の一般就職を果たした後、「新しい職場で人間関係につまずかないか」「業務についていけるか」と不安になる方は少なくありません。そこで重要になるのが、就職後のアフターフォローです。

就職してからの最初の6ヶ月間は、利用していた就労移行支援事業所がそのまま職場定着のためのサポート(面談や企業との調整)を無料で行います。そして、就職から6ヶ月が経過した後は、「就労定着支援」という独立した福祉サービスへ切り替えることができます。

この就労定着支援は、1年ごとの更新制で最長3年間利用でき、専門の定着支援員が定期的に本人や企業と面談を行い、長く働き続けられるよう間に入って調整をしてくれます。

それぞれのメリットと注意点

それぞれの事業所を利用する際のメリットと、事前に知っておくべき注意点を整理します。注意点は決してネガティブなものではなく、自分の状況に合わせた適切なサポート環境を選ぶための大切な指標です。

就労移行支援事業所

メリット:生活リズムの立て直しから、専門的な職業訓練、履歴書添削、面接対策、そして就職後の定着支援まで、ワンストップでプロのサポートを受けられる点が最大の強みです。

注意点:利用期間中は原則として給料や工賃が発生しないため、経済的な不安を感じる方もいます。しかし、見方を変えれば、将来長く安定して働き、しっかりとした収入を得るための「自己投資の期間」です。失業保険や障害年金を受給しながら通所する方や、自治体の家賃補助などを活用して訓練に専念する方も多くいます。

A型(就労継続支援)

メリット:雇用契約に守られた環境で、最低賃金以上の安定した収入を得られる点です。社会保険に加入できるケースもあり、経済的な自立に直結します。

注意点:雇用契約を結ぶ労働者である以上、決められたシフト通りに安定して出勤する責任が伴います。体調の波が大きい方には厳しく感じるかもしれません。だからこそ、A型の事業所には障害特性に精通したスタッフが常駐しており、無理をして体調を崩さないような業務量の調整やメンタルケアの体制が整っています。

B型(就労継続支援)

メリット:出勤日数や作業時間の自由度が高く、体調不良の際には無理なく休むことができるなど、心身への負担が最も少ない環境です。

注意点:雇用契約がないため、支払われる工賃は全国平均で月額1万6千円前後と、自立した生活を送るには十分な金額とは言えません。しかし、まずはプレッシャーのない環境で「社会と繋がる喜び」や「通所の習慣」を取り戻すことが、将来的なA型や一般就労へのステップアップに向けた大きな自信と実績に繋がります。

迷ったときの選び方——3つのチェックポイント

制度の仕組みを理解しても、「結局、いまの自分にはどれが合うのか」と決断に迷うのは当然のことです。迷ったときは、制度の名前や条件に縛られすぎず、以下の3つのポイントを軸に整理してみてください。

①今の体調でどのくらい安定して通えるか

毎日決まった時間に起きて、週4〜5日、1日4時間以上通所できる体力と精神的な安定があるなら、「就労移行支援」や「A型」が視野に入ります。週に1〜2日、午後から数時間だけ通うのが現状の限界であれば、まずは無理なく「B型」からスタートし、徐々に日数を増やしていくのが安全な選択です。

②将来は一般就労を目指したいか

最終的なゴールが「一般企業への就職」であるなら、就職率や定着率に強みを持つ「就労移行支援」を選ぶのが最短ルートです。一方、一般就労にはこだわらず、配慮のある環境で長く働き続けることを優先するなら「A型」、まずは生活リズムと心身の健康を整えることを第一優先とするなら「B型」が適しています。

③見学・体験利用で実際の雰囲気を確かめる

インターネットやパンフレットの情報だけでは、事業所の真の空気感はわかりません。スタッフの言葉遣いや利用者への接し方、作業室の広さや清潔感、通所の負担感(通勤ルート)などは、実際に足を運んで初めて実感できるものです。多くの事業所が無料の見学や体験利用を実施しているため、必ず複数箇所を比較検討しましょう。ご家族と一緒に訪問し、客観的な意見をもらうことも非常に有効です。

利用開始までの具体的な流れと費用

「通ってみたい」と思える事業所が見つかったら、実際に利用を開始するまでの手続きを進めます。一般的な流れは以下の通りです。

事業所へ問い合わせ・相談:電話やWebサイトから見学の申し込みを行います。

見学・体験利用:実際の訓練内容や作業を数日間体験し、自分に合うかを確認します。

受給者証の申請:お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口へ行き、「障害福祉サービス受給者証」の利用申請を行います。この際、相談支援事業所が作成する「サービス等利用計画案」の提出が求められるのが一般的です。

受給者証の交付:市区町村での認定会議を経て、自宅に受給者証が郵送されます。

契約・通所開始:受給者証を持って事業所へ行き、正式な利用契約を結んで通所がスタートします。

【利用料金について】

障害福祉サービスの利用料金は、前年度の世帯所得に応じて国が定めた上限月額が設定されています。ここで言う「世帯」とは、利用者本人と配偶者のみを指し、親や兄弟の収入は合算されません。そのため、実際には利用者の9割以上の方が「自己負担0円(無料)」でサービスを利用しています。費用面での不安がある場合も、まずは市区町村の窓口や事業所に相談してみてください。

初めての方がつまずきやすいポイント

制度を利用するにあたり、多くの方が誤解しやすいポイントをまとめました。

「就労移行支援」と「A型・B型」を同じ働き場だと思ってしまう就労移行支援はあくまで「就職へ向けた準備と訓練の場」であり、A型・B型は継続的に「働く場」としての役割が中心です。この大前提の違いを間違えると、支援内容に大きなギャップを感じてしまいます。

障害者手帳がないと利用できないと思い込む障害者手帳を持っていなくても、医師の診断書や自立支援医療受給者証などがあり、自治体が「支援が必要」と判断すればサービスを利用できるケースが多々あります。「手帳がないから」と諦めず、まずは問い合わせてみることが大切です。

体調を無視して目標だけで選んでしまう「どうしても早く就職したいから」と焦って就労継続A型を選んでも、週5日通う体力がなければ仕事についていけず、結果的に自信を喪失してしまいます。大切なのは、今の自分の体調に合ったペースから始めることです。

よくある質問

Q. 就労移行支援とA型・B型は同時に使えますか?

原則として同時利用(併用)はできません。ただし、B型で体力をつけてから就労移行支援へステップアップするなど、制度間の切り替えは可能です。今後のキャリアプランについては、相談支援専門員や事業所のスタッフと一緒に計画を立てていきましょう。

Q. どれを選べばいいか、自分一人では決断できません。

迷って当然です。まずはご自身の「今の体調」「通える頻度」「将来どんな風に働きたいか」を紙に書き出してみてください。それでも迷う段階で構いませんので、事業所の無料相談を活用してください。専門スタッフがあなたの状況をヒアリングし、最適な方向性を一緒に整理してくれます。

Q. 本人ではなく、家族だけでも相談に行っていいですか?

もちろん可能です。ご本人が外出すること自体に強い不安を感じている場合、まずはご家族だけが見学や相談に訪れるケースは非常に多くあります。家庭でのご様子をスタッフに伝えることから、支援の第一歩が始まります。

まとめ

就労移行支援事業所、就労継続支援A型、B型の3つのサービスは、どれも「障害や難病のある方の働くこと・生きること」を支えるための重要な公的制度です。しかし、目指す最終的なゴールや、日々の支援の形、求められる条件はそれぞれ大きく異なります。

制度の名称だけで慌てて選ぶのではなく、「今の自分の体調や能力」と「これからの働き方の理想イメージ」を軸にじっくりと選ぶことが、自分らしい自立への一番の近道です。

「自分にはどれが合っているのか詳しく知りたい」「まずは話だけでも聞いてみたい」と迷っている段階でも全く問題ありません。見学や相談を通じて情報を整理することで、必ずご自身に合う選択肢が見えてきます。

気になる方は、ぜひ無料相談や見学ページからお気軽にお問い合わせください。

▼今すぐ具体的な相談をしてみたい方はこちら

【メルディアトータルサポート】公式サイト:

https://mlda.jp/mtsinquiry/

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