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自立訓練と就労移行支援の違いとは?目的・対象者・支援内容を比較してわかりやすく解説


2026年05月3日

障害のある方やそのご家族が福祉サービスを検討するとき、「自立訓練と就労移行支援、どちらを選べばいいのか分からない」という悩みはよく聞かれます。どちらも障害者総合支援法に基づく重要な障害福祉サービスですが、目的・対象者・支援内容は大きく異なります。

本記事では、厚生労働省の法令および公式資料に基づき、自立訓練(生活訓練)と就労移行支援の違いを徹底比較し、ご自身に合うサービスを判断するための情報をわかりやすくご紹介します。

A型orB型

自立訓練(生活訓練)とは

目的(自立した生活の実現)

自立訓練(生活訓練)は、障害者総合支援法第5条第12項に規定されている障害福祉サービスで、障害のある方が、自立した日常生活または社会生活を営むことができるよう、一定期間にわたり、身体機能または生活能力の向上のために必要な訓練を行うものと定義されています(※6)。

ここでいう「自立」とは、経済的な独立だけを指すものではありません。日常生活を安全かつ安定して送ることができる状態を目指し、家事スキル、金銭管理、服薬管理、対人関係構築といった生活全般の能力向上を中心に支援が行われます。

対象者と利用条件

自立訓練(生活訓練)の対象は、地域生活を営む上で生活能力の維持・向上などのため、一定期間の訓練が必要な障害のある方で、厚生労働省は以下のような例を示しています(※1)。

入所施設や病院を退所・退院した方であって、地域生活への移行を図る上で生活能力の維持・向上等を目的とした訓練が必要な方

特別支援学校を卒業した方や、継続的な通院により症状が安定している方等であって、地域生活を営む上で生活能力の維持・向上などを目的とした訓練が必要な方

利用条件は次の通りです(※1)。

原則として18歳以上の障害のある方

身体障害、知的障害、精神障害(うつ病、統合失調症、双極性障害など)、発達障害(ADHD、ASDなど)、高次脳機能障害、難病など(平成30年4月の施行規則改正により、機能訓練と生活訓練のいずれも障害区別なく利用可能)

障害者手帳の有無は条件ではなく、市町村が必要と認めた場合(医師の意見書等を含む)に利用可能

主なプログラムの特徴

自立訓練(生活訓練)では、生活スキルを習得するためのさまざまなプログラムが提供されます。具体的には、生活リズムの改善、金銭管理、料理などの家事スキル、対人コミュニケーション訓練、ストレスマネジメント、社会体験プログラムなどが含まれます。

事業所ごとに特色あるプログラムを提供しており、メルディアライフネスト浦和では「EQS(生活能力評価)」という独自指標を用いて、「心のしなやかさ」「コミュニケーション能力」「困難に立ち向かう力」の3軸で利用者の状態を評価しながら支援計画を立てています。

詳細は柱記事「自立訓練(生活訓練)事業所とは?対象者・費用・プログラム・利用の流れをわかりやすく解説(記事番号1)」でご紹介しています。

就労移行支援とは

目的(一般企業への就職)

就労移行支援は、障害者総合支援法に基づき、一般企業への就職を希望する障害のある方が、就労に必要な知識・能力の向上のための訓練、職場探し、就労後の定着支援を一体的に受けられるサービスです(※2)。

職業訓練・就職活動支援・職場適応訓練・定着支援を通じて、自分の適性に合った仕事を見つけ、安定して働き続けることをサポートします。

対象者と利用条件

就労移行支援の対象者は、以下の条件を満たす方です(※2)。

原則18歳以上65歳未満で、就職を希望する障害のある方

身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、難病など幅広い障害が対象

障害者手帳の保有は必須ではなく、医師の意見書・診断書、自立支援医療受給者証などにより、市町村から障害福祉サービス受給者証の交付を受ければ利用可能

65歳以上の方も、65歳に達する前5年間障害福祉サービスの支給決定を受けており、かつ65歳前日に就労移行支援の支給決定を受けていた場合は、引き続き利用可能

主なプログラムの特徴

就労移行支援では、職業スキル習得のための実践的なプログラムが中心です。パソコン操作などのITスキル訓練、職業適性診断、職場体験(インターンシップ)、面接対策、応募書類添削、企業開拓、就労後の定着支援などが含まれます。

自立訓練と就労移行支援の違い【比較表】

目的の違い(生活の自立 vs 一般就労)

最も基本的な違いは「目的」です。自立訓練(生活訓練)は生活スキルの向上と自立した日常生活の実現を目指し、就労移行支援は一般企業への就職と職場定着を目指します。

比較表

対象者の違い

自立訓練は、生活に困難を抱える幅広い障害のある方を対象としています。65歳未満という年齢上限は設けられていません。一方、就労移行支援は原則18歳以上65歳未満で、就職を希望し、一定の生活基盤がある方が中心となります(※2)。

利用期間の違い(原則2年 vs 原則2年)

自立訓練(生活訓練)と就労移行支援は、いずれも標準利用期間が原則2年で同じです。ただし延長条件が少し異なり、自立訓練は長期入院者等で3年まで認められる場合があり(※1)(※7)、就労移行支援は市町村審査会の審査で1年延長(最大3年)が認められる場合があります(※2)。なお、自立訓練(機能訓練)の標準利用期間は1年6か月で、混同しないよう注意が必要です(※1)。

プログラム内容の違い

自立訓練は生活スキル向上が中心、就労移行支援は職業スキル習得が中心です。両者は支援する領域が異なるため、同じ期間でも身につく内容は大きく違います。

費用の違い

どちらのサービスも、障害福祉サービス共通の自己負担上限額制度が適用されます。生活保護受給世帯と市町村民税非課税世帯(低所得)は月額負担0円、課税世帯でも所得割額により月額9,300円(一般1)または37,200円(一般2)を上限とした支払いに留まる仕組みです(※3)。住民税非課税世帯に該当する方は障害福祉サービス利用料が無料となるため、実際には多くの利用者が自己負担なしで利用しています。

卒業後の進路の違い

自立訓練を卒業した後の進路は、一般就労・就労移行支援・就労継続支援A型/B型・復職(リワーク)・進学・パート/アルバイトなど多岐にわたります。一方、就労移行支援は「就職」を目的としているため、卒業後は基本的に一般企業への就職に移行します。

詳細は「自立訓練(生活訓練)の卒業後はどうなる?進路の選択肢と支援内容を紹介(記事番号9)」でご紹介します。

自立訓練と就労移行支援は併用できる?

原則として同時利用はできない

障害福祉サービスは、原則として複数の日中活動系サービスを同時に併給することはできません。これは、計画的な支援とサービスの重複防止のためのルールです。

順番に利用する(自立訓練→就労移行支援)は可能

一方、自立訓練を卒業した後に就労移行支援を利用することは可能です。実際にはこの流れを選ぶ方が多く、「まず生活基盤を整えてから就職を目指す」という段階的な利用パターンは厚生労働省の資料にも自立訓練利用後の進路として明記されています(※1)。

どちらを選ぶべき?迷ったときの判断基準

「まず生活を整えたい」方は自立訓練

以下のような方は、自立訓練(生活訓練)の利用が向いています。

生活リズムが不安定で、毎日の生活に困難を感じている

人間関係の構築が難しく、社会参加への自信がない

入院や入所施設からの退所・退院直後で、社会復帰に向けた準備が必要

症状が安定してきたものの、まだ就職への不安が残る

長期間社会参加から離れており、徐々に外出や活動を増やしたい

「就職の準備が整っている」方は就労移行支援

以下のような方は、就労移行支援の利用が向いています。

生活リズムが安定していて、毎日通所できる基盤がある

就職への意欲があり、職業訓練に積極的に取り組める

基本的な生活スキルは習得済みで、職場で必要なスキルや知識を磨きたい

既に自立訓練を卒業し、次のステップとして就職を目指したい

判断に迷ったら両方を見学する

「自分がどちらに向いているか分からない」という場合は、両方の事業所を見学し、雰囲気やプログラム内容を比較することをお勧めします。市区町村の障害福祉窓口、相談支援事業所、主治医に相談することも有効です。

自立訓練から就労移行支援へステップアップする道

生活訓練で土台を固めてから就労を目指す利用者も多い

自立訓練を利用した後に就労移行支援へ進む方は少なくありません。生活基盤を整えてから就職活動を行うことで、入社後のミスマッチや早期離職を防ぎやすくなります。焦らずに段階的に進めることは、長期的な就労安定につながります。

メルディアライフネスト浦和→メルディアトータルサポートの接続事例

メルディアライフネスト浦和を運営する一般財団法人メルディアは、同じグループ内で就労移行支援事業所「メルディアトータルサポート」も運営しています。

メルディアライフネスト浦和では、S.I.P(Self-Insight Program)というマンツーマンのオーダーメイドプログラムにより、利用者一人ひとりの自己理解を深め、できることを増やし、安定した日常を目指す支援を行っています。さらに、リービングネストプログラムとして、基礎ステージ(3〜6か月/生活リズムを整える)→体験ステージ(6か月/経験を重ねる)→探求ステージ(3か月/進路を探求する)→始動ステージ(6か月/進路に向けて歩みだす)の4段階で計画的に支援を進めます。

具体的なプログラムは、ライフプログラム、ライフシミュレーショントレーニング、SST、集団認知行動療法、クリエイティブタイム、フィジカルプログラム、ITスキル、CSP(e-learning)の8つの柱で構成されており、生活基盤の安定から進路探求までを一貫してサポートします。

自立訓練でこれらの支援を通じて生活基盤と自己理解が整った後は、メルディアライフネスト浦和で就職活動のサポートまで行います。

就職までにもっとトレーニングを積みたい方は、グループ内のメルディアトータルサポートへスムーズに支援情報を引き継げるため、利用者は「最初から説明し直す」負担なく、就労に向けた次のステップへ進むことができます。

利用期間の詳細は「自立訓練(生活訓練)の利用期間は?原則2年の仕組みと延長の条件を解説(記事番号5)」もご参照ください。

就労継続支援(A型・B型)との違いも押さえておこう

就労継続支援A型とは

就労継続支援A型は、一般企業での雇用が困難ではあるが、雇用契約に基づく就労が可能な方を対象とした福祉サービスです(※4)。事業所と利用者が雇用契約を結ぶため、最低賃金法が適用され、最低賃金以上の賃金が支払われます。

就労継続支援B型とは

就労継続支援B型は、雇用契約に基づく就労が困難な方を対象とした福祉サービスです(※5)。雇用契約は結ばず、自分のペースで作業に取り組み、その対価として「工賃」が支払われます(最低賃金法の適用外)。年齢制限・利用期間制限はありません。

自立訓練・就労移行・就労継続を含めた全体像

これら4つのサービスは、利用者の状態と目標に応じてステップアップ可能な体系を成しています。自立訓練で生活基盤を整える → 就労移行支援で職業スキルを磨く → 一般企業への就職を実現する、という流れが標準的なルートです。一般就労が難しい場合は、就労継続支援A型・B型を選択することもできます。

メルディアライフネスト浦和の利用までの流れ

利用を検討される場合の一般的な流れは以下の通りです。

見学・相談:事業所の雰囲気やプログラムを確認

体験利用:実際の1日の流れを体験

障害福祉サービス受給者証の申請:お住まいの市区町村(さいたま市の場合は各区役所支援課)の障害福祉窓口で申請。医師の意見書・診断書、または障害者手帳、自立支援医療受給者証等を持参(※8)

サービス等利用計画案の作成:相談支援事業所が作成、またはセルフプランで作成

支給決定・受給者証の交付

事業所と契約・利用開始

申請手続きや支給決定に要する期間は自治体ごとに運用が異なる場合があります。詳細は、お住まいの市区町村の障害福祉窓口でご確認ください。

まとめ|大切なのは「今の自分に合ったサービス」を選ぶこと

自立訓練(生活訓練)と就労移行支援は、どちらも障害者総合支援法に基づく重要な障害福祉サービスです。目的・対象者・支援内容が異なるため、ご自身の現在の状態と目標を整理した上で、適したサービスを選ぶことが何より大切です。

「生活を安定させたい」のか「就職を目指したい」のかを明確にし、迷ったら複数の事業所を見学・体験して比較してみましょう。専門家(主治医、相談支援専門員、市区町村の障害福祉窓口)の助言も大いに役立ちます。

メルディアライフネスト浦和では見学・無料相談を受付中です。お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ:https://mlda.jp/mlninquiry/

この記事はメルディアライフネスト浦和のスタッフが監修しています。

出典一覧

※1 厚生労働省「自立訓練(機能訓練・生活訓練)に係る報酬・基準について」

https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000670106.pdf

※2 厚生労働省「就労移行支援」

https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000571840.pdf

※3 厚生労働省「障害者の利用者負担」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/hutan1.html

※4 厚生労働省「就労継続支援A型に係る報酬・基準について」

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000177374.pdf

※5 厚生労働省「障害者の就労支援について」

https://www.mhlw.go.jp/content/12204500/3b.pdf

※6 e-Gov法令検索(厚生労働省)「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」

https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa7574&dataType=0&pageNo=1

※7 e-Gov法令検索(厚生労働省)「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行規則」

https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa7809&dataType=0&pageNo=1

※8 さいたま市「障害者(児)指定事業所等一覧」

https://www.city.saitama.lg.jp/002/003/004/003/005/p001228.html

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