『環境調整』をしよう~障がいがある中で生きやすくするために
こんにちは。カウンセラーの小川です。
私は元々ノートや手帳が好きなのですが、最近買ってウキウキしているのがロルバーンのノートです。
10月はじまりのロルバーンダイアリーを買いまして、今はまだ仕事関係の整理に使っていますが、書くことを楽しんでいます。
日記だったり頭の中にあるものを書き出すことはメンタルにもいいと言われていて、実際に私は書くことですっきりしたり整理できるので好きです。
『環境調整』ってなに?
さて、今日は『環境調整』のお話しです。
療育や障がい福祉に関わっていると、おそらくよく出てくるワード、環境調整。私もよく使う用語ですが、わかっているようでわかっていないワードなのかもしれない、と思い、精神科ポケット辞典を引いてみました。
環境調整(=環境療法)
患者が遭遇している困難な問題や不安、恐怖などをよく理解して、適切な環境に変えたり、周囲の人の協力を得ながら外部の重圧をとり除いてやるという一種の精神療法
精神科ポケット辞典 新訂版より一部抜粋
いかがでしょう。「一種の精神療法」なんて言うとたいそうなことに聞こえてしまうのですが、つまりは、本人にとって何が難しいのか、不安なのか、怖いのか、それを周囲が理解して、本人にとってむずかしくない、不安や怖さが軽減される環境に変えて行くことで、生きやすくなるよね、ということなんです。
とっても大事な観点で、「ガンバレ、ガンバレ!」ではどうしようもないから「障がい」なので、本人を変えようとするのではなく、周りの環境を変えて行こうよ、ということなのです。
『環境調整』の例
それでは、例えばどんな環境調整があるの?というところですが、よくある例をご紹介します。
1.音が苦手なので、ヘッドホンをする
⇒たとえば職場などで、周囲の音に過敏な特性を持っている方が、ヘッドホンをすることで安心して働けるということがあります。
2.言葉による説明が苦手なので、絵カードやイラスト付きのマニュアルを使う
⇒文字だけ、言葉だけ、では理解がむずかしい方の場合、絵カードやイラスト付きマニュアルを使うことで分かりやすくなります。
3.片付けが苦手なので、色を分けて分かりやすい箱を用意する
⇒特性として片付けがとても負担になってしまう方はいます。物のアドレスを決める、というのはよく言われる整理術ですが、より分かりやすく、色分けしたり、箱も自分で選ぶなどすると、片づけの負担が減ることがあります。
4.複数のことを言われると忘れがちのため、付箋を使う
⇒さっき言ったでしょ!と言われても、、となることもあるので、ひとつずつ付箋に書いて渡すもの効果的です。
家庭でも『環境調整』は必要です
施設、学校、職場、そういったところでは支援員や先生など関係者を含めて環境調整を検討していく、なんてことはよくあります。
うまく行っているかどうかは別として、可能な範囲で行っていくもの、という考えはおそらく浸透しているのでは、と思います。
ただ実は、ご家庭の中でも環境調整は必要な場面があると思います。環境調整をすることで、お互いにストレスが減るよね、ということなので、ぜひ考えてみていただきたいです。
まずやっていただきたいのが、先ほどの『環境調整』ってなに?の項目で触れました「本人にとって何が難しいのか、不安なのか、怖いのか、それを周囲が理解する」ということです。
「理解する」というところが最初にして最も重要なポイントですが、長年一緒にいるからこそ、わかっているようでわかっていないこともたくさんあると思いますので、改めてわかろうとしてみる、ということを、もしこれを読んできっかけにしてくださる方がいるなら、心掛けていただけたら嬉しいです。
メルディアウェルネスのカウンセリング
東新宿にあるメルディアウェルネスのカウンセリングは、「障がいのある方とご家族のためのカウンセリング」として設立されています。
そのため、家庭内での環境調整に関するご相談にも乗らせていただくことができますので、どうも家族間でストレスがある、などの場合、ヒアリングしながら一緒に考えていくことができますのでぜひご利用くださいね。
よい一日をお過ごしください。