ライフテーマを見つけよう
こんにちは。カウンセラーの小川です。
先日、日本カウンセリング学会相互研究会にて、山形大学理学部教授の小倉泰憲先生の講義をお聴きしました。
小倉先生は元々サラリーマンをされていて、カウンセラー訓練を受けて現在は大学教授であり、学生のメンタルヘルスにも関わっていらっしゃるそうです。
今回のテーマはキャリアカウンセリングが元になっていたのですが、「キャリア」という言葉を使ってはいますがあらゆる方にあてはまる内容だと思い、ほんの一部だけご紹介したいと思います。
外的キャリア・内的キャリア
まず、「キャリア」とはなんのことでしょう。
「キャリア」とは、過去から将来の長期にわたる職務経験やこれに伴う計画的な能力開発の連鎖を指すもの
厚生労働省HPより
後半ちょっと、???となってしまいましたが、生涯における仕事の経験とスキルのつながり、といったところでしょうか。
キャリアには、外的キャリアと内的キャリアがあります。
・外的キャリア:社会的役割や肩書き、名称のあるもの(例:会社員、管理者、医者、など)
・内的キャリア:好き嫌いや主観、個人の価値観など
人が仕事をする場合、意識しているかいないかは別として、外的キャリアか内的キャリアを得ようとします。
つまり、「昇進がしたい!」は外的キャリア、「この仕事が好きだからやりたい!」は内的キャリアということです。
ここでポイントは、外的キャリアの中でも肩書などはいつか無くなる、ということです。
無くなるからダメだという訳ではありません。ただ、それだけだと脆さはあり、内的キャリアの視点を持つとより良い、ということなのです。
肩書きを失って、不安感を持ったことはありませんか。
例えば、仕事を辞めて次の仕事が見つかっていない時。転職は決まったけれど肩書はなくなった時。定年退職した時。
またこれは少し違うベクトルの話ですが、家事・育児・介護などに専念されている方なども、肩書きが明確でなく、もやもやを抱える方もいらっしゃいます。
ライフテーマとは
外的キャリア、肩書や社会的役割という名前のつくものから、内的キャリア、自身の主観や大切にしたいものに意識を向け、ライフテーマを見出すことで充実した生き方ができるのではないかという考えがあります。
ライフテーマとは、「一生をかけて取り組むであろうもののこと」を指します。
人生100年時代になってきて、複数回仕事を変えることも当たり前の時代になっていますし、選択肢も急増しています。
仕事が変わっても、ステージが変わっても、ライフテーマが軸にある人はブレないでいられるということです。
決めたら変えてはいけないというものではないと思いますが、誰しもそう簡単には変わらない、変われないものがあるのではないでしょうか。
ライフテーマを見つけよう
ライフテーマを見つけるためのヒントを二つご紹介。
- 子どもの頃、憧れた人は誰ですか?(3~8歳頃)
- 現在よく見るテレビ番組や動画、雑誌などを挙げてください。
それぞれ3つくらい挙げられるとよいですね。何か浮かびましたか?
わたしは子どもの頃に憧れた人が思い出せなくて、なりたかったものを思い起こしました。
まず「子どもの頃憧れた人」ですが、これは、自分はどうなりたいのか、という根っこの部分につながっているそうです。
「現在よく見るテレビ番組や動画、雑誌」などからは、ここにいたいなという職場環境が見えてくるそうです。(だいぶ簡略化してお伝えしています)
わたしは幼稚園の頃、大人から将来の夢を聞かれたら看護婦さんになりたいと言っていたのを覚えています。今現在カウンセラーをしているので、たしかに援助職として遠からずだなぁと思いました。
よく見るテレビ番組や動画などは、例えばマニアックでひとつのことを突き詰めるタイプの番組をいくつか挙げている方は、自身の興味を突き詰める職場環境を求めているのかもしれません。
これだけだと軽い心理テストみたいになりますが、こういったものを深堀していくと、自身の根っこにあるものが見えてくるんですね。
自分の中の大事な何かが見つかると、人生が豊かになる気がしますよね。
自分を脇へ置いてしまっている方へ
メルディアウェルネスは障がいのある方とそのご家族が多く来られているカウンセリングルームです。
ご病気や障がいに苦しんだり、そのサポートに日々を費やしている方もいらっしゃり、自身のライフテーマはどこか脇の方へ置いている方も少なくありません。
ただそういう方こそご自身のライフテーマを考えてみること、思い起こすこと、自分に注目をすることが、自分を大切にすることにつながると思います。
誰かのために我慢をする、誰かを優先することがデフォルトになっている方にはぜひ、自身のライフテーマを考えてみることをおすすめします。
よい一日を。