大人の秘密基地をつくろう
こんにちは。カウンセラーの小川です。
子どもの頃、秘密基地に憧れていた時がありました。何かの影響だと思いますが、木や枝を拾って、大人に知られない子どもだけの場所をこっそり作ろうとしていました。
その秘密基地を「秘密だよ」と言って誰かに見せたくなるのも面白いところですよね。
子どもだった私たちにとって、大人に知られない「秘密基地」はとても安全で楽しい場所でしたよね。
そんな秘密基地もいつのまにかどこが秘密基地なのかわからなくなり、自然と忘れていった気がします。
秘密基地と安全基地
「安全基地」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。
発達心理学者のメアリー・エインスワースによって提唱された「安全基地」は、子どもの心理状態に存在する「安全基地」という概念です。
親や養育者、関わる大人が、子どもの不安や怖さなどを受け止め、安心できる存在として子ども自身が感じられるよう機能していれば、それが安全基地となり、心のよりどころになります。
子どもは、安全基地がちゃんと確保されているとき、安心して外の世界を冒険してみようという意欲をもつことができます。
子どもの安心感に関わる実験として、アメリカで行われたものでは、子猿を被検体として、授乳機能を持つ針金製の代理母猿と授乳機能を持たない布製の代理母猿を用い、どちらの代理母猿を好むかを試験した、ハーロウの代理母実験というものがあります。
その実験で子猿は、ミルクを飲む以外はほとんど布製の代理母猿の側で過ごしたそうです。心理的な安心感には物理的なぬくもりも不可欠で、子どもをハグしてあげることが、安心感につながり、また安全基地という認識の形成に必要な要素であることがわかりますね。
子どもにとっての安全基地になるには
良い安全基地の5大要素として、安全感、応答性、共感性、安定性、誠実さが必要と言われています。
子どものネガティブな面もポジティブな面も、受け止められる存在になることが理想ですよね。
親が言うことがコロコロ変わったり、機嫌に左右されたり、否定的な発言が多い、親の思い通りにしようとする、誰かの悪口ばかり言っている、という場合は、安全基地とは認識されがたいです。5要素の逆をいっています。
そうは言っても大人もただの人間ですので、イライラしたり、怒ったり、うんざりしたりすることもあると思います。
これだけはせめて心がけようと一つ決めるならば「何があってもいなくならない」ということが、実はとても重要であると思います。
子どもがいたずらしても、失敗しても、さぼっても、悪態ついても、それをきっかけにいなくなるということがない存在、ということです。
それが最もかけがえのない安全基地になる秘訣なのかもしれません。
大人の安全基地
大人になって「わたしには安全基地がないかもしれない」と思った時、安全基地を得るためにまず大きく2点の方法が考えられます。
①自分で自分の安全基地をつくる
②カウンセリングなどの専門機関を安全基地とする
①についてですが「まずは自分」という意識と行動を行うことです。自分が自分の味方になること、励ますこと、慰めること、認めること、そういったことに力を注いでみてください。意外としていないものです。
物理的に、自分の部屋やスペース、またはお気に入りの場所であったり、安心できる場所を持つことも大切ですね。ここにいれば安心だ、という場所は、意識的に見つけたり、作り出すことが可能です。それは自宅に限らずお気に入りのお店などでもOKです。
②については、カウンセリングの機能として期待されていることでもあると思います。その機能を果たせている場合、クライエントさんが自然と変わっていったり、強くなっていく様子を見ることができる場合があります。安心して話せる場所の確保ですね。
子どもにとってはもちろんのこと、大人になっても安全基地があれば、なんだか世知辛い社会も乗り越えて行けるのかもしれません。
よい一日を。