感情がうまく伝わらない人へ-語彙力が心を助ける理由-
こんにちは、カウンセラーの芳川です。
なんだかモヤモヤする。イライラする。というとき、みなさんはどうしていますか?
大抵のことは、何かしているうちに忘れていくのですが、どうしても頭から離れない!なんてこともありますよね。
そんなとき私は、動き回りながら独り言を言ってみたり、話を聞いてもらったり、スマホのメモに書き出したりします。そうこうしているうちに整理がつき、「よく考えたら、気にするようなことではなかった」「私が嫌なのはここだったのか」などとスッキリすることが多いです。

言葉が増えると、感情は豊かになる
昔から「読書をすると良い」とよく言われますよね。これは知識が増えるだけでなく、本を読むことで語彙が増え、物事を考える材料が増え、感情表現が育っていくのも理由の一つです。
実際に、語彙力の発達と感情理解の成長が関係していることは研究でも示されています。2017年にハーバード大学の研究チームが、6歳から25歳までを調査したところ、言葉の理解が進むほど、感情を細かく区別できるようになることが分かりました。
たとえば幼い頃は「うれしい」「いや」といった二極的な感情表現が中心なのですが、成長と共に語彙が増え、「悔しい」「寂しい」「怖い」「裏切られた感じがする」「心細い」といったように、より具体的な気持ちを表せるようになります。
これを情動分化(emotional differentiation) と呼び、ストレス耐性や対人関係の安定と関係していることがわかっています。
カウンセリングで実際に起きていること
多くの場合、感情は最初から整理されているわけではありません。
カウンセリングでも、最初は「うまく説明できない」と話される方がほとんどです。
たとえば、あるクライエントさんは「なんだか最近、職場が嫌なんです」と仰いました。
出来事を一つずつ振り返っていくと、
・怒られるかもしれないという怖さがある
・評価されないことへの悔しさがある
・期待に応えられない自分に情けなさがある
・もっと頑張りを認めてほしい気持ちがある
そういった思いが、少しずつ整理されていきました。
最初は一言だった「嫌」という言葉の中には、いくつもの出来事や感情が折り重なっているのです。
問題がすぐに解決したわけではありませんが、モヤモヤした気持ちがクリアになることで、出来事の受け止め方が変わることがあります。私たちの脳は、『感じているだけ』の状態よりも、『言語化された状態』のほうが、整理されやすいとされています。
言葉が増えると、選択肢が増える
「あームカつく!」としか言えないとき、行動も衝動的になりがちです。
机を叩くとか、ドアを強く閉めるとか、深くため息をついたり、相手を強く批判するなど。
この「ムカつく!」が整理され、「悔しい」「今の言い方は傷ついた」「軽く扱われた気がする」などと分かれていくと、相手に
「どう伝えるか」「どう距離を取るか」という選択肢が出てきます。
自分の感情を整理できるようになると、人間関係もスムーズにいきやすくなるということです。
自分の気持ちを言葉にするには
①「嫌」を分解する
「嫌」「むかつく」「しんどい」と感じたときは、怖かったのか、悔しかったのか、悲しかったのか。この3つのどれに近いのか当てはめてみるのがおすすめです。漠然としたモヤモヤが少しクリアになってきます。
②体に目を向ける
心と体は繋がっています。肩が凝っているなら緊張しているのかな、お腹が痛いなら不安なのかな、後付けでも良いので想像していくと、少し自分の気持ちが見えやすくなります。
③「本当は?」と問いかえる
心の中でも良いので「本当はどうしてほしかった?」「本当は何を言ってほしかったの?」こんな風に自分に問いかけてみると、気持ちが落ち着きやすくなります。
それでも一人で考えていると同じところをぐるぐると周り、なかなか整理ができないこともあります。そんなときは、カウンセリングのような第三者を頼る方法もあります。カウンセリングは漠然としたモヤモヤや不安、イライラなどを整理するのにぴったりの場所です。
うまく言葉にできないと感じるときほど、カウンセリングを活用していただけると幸いです。
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