発達障害とソーシャルスキル -親ができるサポート-
こんにちは。カウンセラーの芳川です。
朝晩がぐっと冷え込むようになってきましたね。外を歩くと、葉っぱたちから秋の色づきを少しずつ感じるようになりました。「そろそろ温かい飲み物が恋しい季節だなぁ」と思い始め、最近は夜に読書をしながらココアを飲むのがちょっとした楽しみになっています。
ソーシャルスキルってなに?
ソーシャルスキルとは「相手と関わりながら、自分の気持ちや考えを伝え、社会的に望ましい行動をとるための力」です。
単なる礼儀作法ではなく、状況や相手に応じて柔軟に振る舞える力のことを指します。
ソーシャルスキルを学ぶ意味
ソーシャルスキルは、先天的に備わっているものではなく、経験や練習によって育まれる後天的な力です。
子どもたちは遊びや学校生活の中で自然に学んでいきますが、ときにはその機会が十分に得られず、サポートが必要になることもあります。
ソーシャルスキルを身につけることで
・人間関係がスムーズになる
・自尊心が高まる
・QOL(生活の質)が向上する
といった効果が報告されています。(相川充1999)
文化によって変わるスキル
ソーシャルスキルは文化や社会のルールによって大きく異なります。
たとえば、こんな違いがあります。
・日本人 の場合、YES(同意)は首を縦に振る
・インドの一部の地域 、 首を横に傾けてYES(同意)を示す
・日本の授業 では、発言するときは手をパーにして手を挙げる
・欧州の授業 では、発言するとき、 手をグーにして手を挙げる
自分たちがどこで生活を送っていくかで「常識」や「当たり前」に見える行動も、変化していくということです。
お子さんが心配な親御さんへ
子どもの「できない」に出会うと、親として不安になったり、「どうしてうちの子は…」と心配になることがあると思います。
けれども、ソーシャルスキルは生まれつきの才能ではなく、学んでいける力です。
私たちも大なり小なり、人間関係でやらかしてしまった経験がありますよね。
お子さんの失敗やぎこちなさも、その子が経験を通じて成長している証拠なのだと思います。
親御さんにできるのは、
・小さな「できた」を見つけて褒める
・練習の場を一緒につくる
・他の子との違いを比べすぎない
この3つを意識することだけでも、子どもの力はぐんと伸びていきます。
発達障害とソーシャルスキルの関わり
発達障害のあるお子さんは、ソーシャルスキルを身につけるときに少し特別なサポートを必要とすることがあります。
例えば、
・空気を読むことが難しく、相手の表情や声色から気持ちを推測するのが苦手
・順番を待つ、我慢するなどの「ルール行動」が難しい
・自分の気持ちを言葉にするのに時間がかかる
こうした特徴は「性格の問題」ではなく、脳の働きの特性によるものです。
だからこそ、練習や工夫によって少しずつ身につけていけるという視点が大切になります。
学校や家庭でのトラブルを減らすためにも、
・視覚的に伝える(絵カードやスケジュール表)
・ロールプレイで練習する
・「できた!」をすぐに褒める
といった方法はとても効果的です。
サポートを受ける選択
メルディアウェルネスでは親御さんの相談だけでなく、お子さんのトレーニングとしてSST(ソーシャルスキルトレーニング)を提供しています。
「友だちとの関係が心配」「どう関わったらいいかわからない」そんなとき、親御さんが一人で悩みを抱える必要はありません。
専門家と一緒に考えることで、子どもに合った工夫が見えてくるだけでなく、親御さん自身の安心にもつながります。
カウンセリングは子どものためだけでなく、親御さんが安心できる場所でもあります。
気になることがあれば、どうぞ安心してご相談くださいね。