絆最強説
こんにちは。カウンセラーの小川です。
新札が登場してから早一カ月、わたしの元にもついに新五千円札がきてくれました。
銀色の箔がついていて、豪華な感じがします。ちなみに五千円札は津田塾で有名な津田梅子さん。
津田梅子さんは、1900年に日本で最初の女性のための高等教育機関の一つである女子英学塾(津田塾大学の前身)を創設された方です。
それ以前から女性リーダーの育成に力を尽くし、女性の社会参画の機会を拡大したパイオニアなんだそうです。
行動してくれた先人がいるから今があるということを感じますね。
日本で自殺が最も少ない地域
先日、日本カウンセリング学会の相互研究会にて、『日本の自殺希少地域における自殺予防因子の研究』の著者である岡 檀(おか まゆみ)先生(医療健康データ科学研究センター 特任准教授)の講義を聴くことができました。
全国の3318市区町村の30年間の自殺率統計をとった結果、徳島県の旧海部町が最も自殺率が少なかったそうです。
海部町がなぜ自殺率が少ないのか、様々な視点から研究されているのですが、その中でなるほどなぁ、と考えさせられるポイントがありましたのでほんの少しですがご紹介します。
ご興味ある方は岡檀先生の研究内容がサイト記事にも多く出ていますのでお読みいただければと思います。
絆最強説?
町民の人づきあいに関するアンケートで、自殺率の高い地域は「日常的に生活面で協力」の数値が高く、海部町は「立ち話程度」「あいさつ程度」が圧倒的に多かったという調査がありました。
あれ、逆じゃないの?と最初混乱しました。
ここで岡先生は「絆最強説」に対して「本当にそうなの?」と投げかけています。緊密なつながりのコミュニティであるほうが、かえって悩みをさらけ出すことに抵抗があるというのです。
はぁー。となりました。つながってるけど縛らない。それが最適な人間関係の距離感なのでは、というお話しです。
そこでふっと思い出したのが美輪明宏さんの「人づきあいは腹六分目」という言葉です。
このことか!と思ってちょっとうなりました。
ポイントは、つながっている、けど縛らない、という点です。つながりがなければ孤立します。孤立すると助けて欲しいと思った時にどこに言えばいいのかわからない状態になってしまいます。
その場合、助けを求める段階では相当にきつい状況になっていることが少なくなく、もっと早く声を上げてもらえていたら何かできたかもしれない、という事態に陥ってしまうのです。
うつ病や適応障害を発症した方に誰かに相談をしたかと聞くと、しなかった、誰に言えばいいか分からなかった、と仰る方がほとんどでした。
つながっている、けれど縛らない距離感で、悩みがあってもなくてもちょっと弱音を吐いたり、愚痴を言ったりできているのが理想的なんですね。
メルディアウェルネスのカウンセリング
ちょっと弱音を吐いたり、愚痴を言ったり、と言えばわたしたちメルディアウェルネスのカウンセリングじゃないですか!(わざとらしいですが)
カウンセリングだけでどうにかなるものではないことも、もちろんたくさんあります。
医療や福祉、役所や学校、また様々な民間の支援機関も多くあり、活用していくことが大事だと思っています。
わたしたちメルディアウェルネスのカウンセリングは、深刻な悩みでないと利用できない場所、という訳ではありません。
「つながっている、けれど縛らない」という中に、メルディアウェルネスがあったらいいなと思っています。
辛い想いを抱えている人を見るのは、見ている方も辛いものです。また、自分のせいで辛い思いをさせている、と思うのもまた辛いものです。
自分に意識を向けることを忘れずに、せっかく生きているので少しでも軽く、ちょっとでも楽しい時間が送れたらいいですよね。
よい一日を。
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