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子どもの自主性と自立心を育む モンテッソーリ教育

トピックス2024年09月17日

成長に合わせ必要な教具で学びを与え、子どもの可能性を高める「モンテッソーリ教育」をご存じですか?実は身近にあるもので様々な教具が作れます。多様な教具を生み出しながら活動されるEMMA株式会社の伊藤あづささんの教室にお邪魔しました。






モンテッソーリ教育の始まりは知的障がい児の治療

今から117年ほど前、イタリアの女医、マリア・モンテッソーリがこの教育法を確立しました。彼女は初めて勤務した精神病院で、知的障がいがあるとされる子どもたちが鉄格子に囲まれた暗い部屋で、床に落ちたパンくずで遊んでいることを知りました。何もない部屋の中で唯一あるパンくずで遊ぶ姿を観察する中で、「彼らは指先を使って遊びたがっている」と気づき、指先を使う教材を次々と与え、治療を試みました。すると、彼らの行動に変化があらわれ、その成果が認められ世界に広まりました。

「日本の教育と異なり、子ども主体の教育です。たくさんの教材が教室に並んでいますが、どれを使うかを選ぶのも子ども。これは自主性に繋がりますし、何回でもやっていいんです。制限がなく、さらに1人1人の成長に合わせての個人活動なので、みんなと違うことをやるのが特徴です」と伊藤さんは話します。




<横浜の教室と教具の一部>


自分がしていた子育てが本に書いてあり、自信になった

現在、横浜、大阪、銀座に教室を構えるEMMAですが、伊藤さんはずっと幼児教育をされてきたのでしょうか。「キャリアの始まりは子ども服の販売で、保育士でもありませんでした。ただ、元々ベビーサインという赤ちゃんに手話を教える指導をしていたので、周りに親御さんはたくさんいて、『あづさ先生の子育てを教えてほしい』と長らく言われていました。私としては普通の子育てをやっていると思っていたのですが、息子が3歳のときに転園した先がたまたまモンテッソーリ保育園で、この教育を知りました。そして、そこで借りた本に私がやってきた子育てが書いてあったのです。それが自信に繋がり、見よう見まねで最初は自宅のリビングでモンテッソーリ教室を始めました。

この教育は日本だと、意識の高い方たちが受ける教育と思われがちですが、原点は障がい児教育で、またローマのスラム街の子どもたちに教育をしたのがきっかけなので、日本でももっと広く受け入れてもらえるよう活動しているところです。そもそも、教具は特別なものである必要はなく、100円ショップにあるもので作れるのでご自宅でも取り組めるのです」。




<教室に通う希一くん親子(左)と莉誉ちゃん親子(右)>


 




伊藤 あづさ

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