障がい者と保護者とボランティア、One Teamで支え合う
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トピックス2024年03月25日
東京都目黒区近辺を拠点に週に1回ほど障がい者とボランティアスタッフがランニングや水泳を行い、体を動かす習慣を作っているNPO法人アクアリズム。気持ちよく汗を流す彼らと保護者の方々にお話を伺いました。
始まりはボランティアの〝自分にも何かできないかな〞
現在50名ほどの知的障がい者と60名ほどのボランティア、そして障がい者の保護者とともに活動しているNPO法人アクアリズム(以下、アクアリズム)。今から23年ほど前に、1人の女性の「自分が教えられる音楽と水泳を知的障がい者にも教えられないか」という思いから始まりました。現在の代表・岩崎さんは元々プール活動のボランティアでした。あるとき趣味のランニング中に保護者から「岩崎さん、一人で走っているなら、うちの子も一緒に走らせてくれませんか?」と提案を受けたそう。そのことをきっかけに、当時のプールと音楽活動の2本柱に、ランニングも加わりました。今ではランニングとプールが中心となって活動しています。
伴走して各人がちゃんとできるようになることを目標に
アクアリズムでは、ランニングではちゃんと走れるように取り組んでいくこと、プールではちゃんと泳げるように取り組んでいくこと、それらを楽しめるようにすることを目指しています。「障がい者も学校にいる間は運動をする機会がありますが、卒業するとその機会がありません。ルールのあるスポーツは苦手な傾向にある彼らも1人でできるスポーツだと取り組みやすい。それらがちゃんとできるようになればと、ボランティアスタッフがしっかりと各人に付いて指導を行っています。もちろん個々人の得意レベルも異なるので、ランニングであれば伴走を基本として、走ることが好きではない人は褒めることを大切にしています。『今日は調子がいいからもう少し走ろう』『あとここまで頑張ろう』など声を掛けながらやっています」と岩崎さん。参加している障がい者の年齢層は、ランニングは平均25歳、最年少は小学2年生、最年長は高校生時代から20年続けていると言います。入った人は長く続けてくれますが、プールの時は施設を占領しないように1回の参加人数も3〜5人と制限をかけて行われています。人数を大幅に拡大できないという課題があるため、今後は運営のノウハウを提供しながら、アクアリズムのような団体があちこちにできたらいいなと岩崎さんは考えているそう。
アクアリズムでの活動が一つのルーティンになっている
保護者の方々にもお話を聞きました。「こういう活動をしている団体があまりなく、且つ学齢期を過ぎると運動機会ががくんと減るので、アクアリズムはとても貴重な場です。毎週参加する方が多く、保護者同士もその間に交流しています」「うちの子はこれが生きがいで、プールとランニング両方に参加しています。一つのルーティーンになっています」「小さいときのスイミングは健常者と一緒にやれるが、どんどん置いてけぼりになってしまう。ここでは見守りでなく、ボランティアさんが指導してくれるので、諦めることなく成長していけます」など、我が子の成長が見られることに喜んでいました。
アクアリズムでは「合宿」もあります。「家族だけで行くには心もとない場所に出かけることが私たちの合宿です。プールでなくて海で泳ぎたいね、と十数年前に大島に行ったことが始まりです。山に行ったり、キャンプやグランピングもしました。息子が大きくなって連れていくことが大変でも男性のボランティアさんが付いてくれると安心できます」と保護者の方は語ります。一緒に行ってくれる仲間がいるという安心感は納得です。遠慮がちになってしまって楽しめないという声をよく聞きますが、そういうことに対して安心できる場がアクアリズム以外にももっと広がってくことを望みます。
<保護者や当日のランニングペアのボランティアの方と完走後のワンショット。>