信頼できる仲間と、安心して楽しく長く働ける環境を目指して
-
トピックス2025年04月21日
セイコーエプソン株式会社の特例子会社・エプソンミズベ株式会社は、現在、162名の障がい者が在籍し、知的障がい者が過半数を占める職場環境の中で、4つの事業を柱に業務を展開しています。代表取締役上條さんを始め、管理部の河西さん、早川さん、そして障がいのある従業員3名に話を伺いました。
長く楽しく働ける職場であるために、
能力に応じて挑戦できる環境も整えたい
「信頼できる仲間と安心して楽しく働ける、成長できる環境づくりが何より重要」と語る上條さん。長期勤続者も多く、28年以上勤務する知的障がい者や11年以上勤務する精神障がい者が活躍しています。オフィス業務、製造、リサイクル、ビルメンテナンスの4事業を展開し、障がい者の特性に応じて適材適所で配置しています。また、従業員の定着支援のため、精神保健福祉士によるソーシャルスキルトレーニングやカウンセリングを定期的に実施し、職場環境の向上に努めています。他にも、タレントマネジメントシステムを設け、就業を支えるスタッフが変わってもメンバーの特性等をしっかりと引き継げる体制を整えています。
2023年からはパソコン教育の導入を進め、オフィス系業務への挑戦も支援しています。河西さんは、「定期的に組織風土調査を行い、理念で掲げる〝楽しく働く〞ができているか等を調査しています。そういった中で、違う仕事をしてみたいという声もあります。そうした声には具体的なヒアリングを経て新たな業務にも挑戦できる仕組み作りにまさに取り組んでいるところです。昨年10月に1名実際にジョブチェンジをされた方がいます」と説明します。
一人一人の光る部分にフォーカスを当て、さらなる活躍の場を作り出したい
エプソンミズベは、2030年までに障がい者雇用を230名に拡大することを目標としています。そのためには、障がい者自身がリーダーとなり、職場をマネジメントできる仕組みの構築が必要不可欠です。早川さんは、「障がい者が主体的に業務を運営できる体制を整えることで、持続可能な雇用環境を実現したい」と展望を語ります。
さらに、上條さんは、「エプソン本体との接点を増やし、将来的には障がい者が本体の職場で活躍できる環境を作ることが理想」と述べます。「従業員と接すると、一人一人にキラリと光るものを感じます。偏見なく、彼らが持っているものにしっかりとフォーカスを当てれば、彼らの社会的な活躍の場はあるはずだと強く感じます。そういう考えを持つ方が増えれば、障がい者の可能性も広がります。エプソンミズベでも、社会全体でも、チャンスを平等に与え、成長できる環境が加速すれば、より多くの方が笑顔で生きられる社会になるのではないかと思っています」。
矢島さんコメント(抜粋):
現在は富士見工場でビルクリーニング(BCL)を担当しています。最近は清掃業務に加え、製品仕分けの実習に挑戦中です。将来的にはさらに多様な業務に挑戦し、自身の可能性を広げていきたいと考えています。『何事も挑戦』の姿勢を大切にしたいです。
藤森さんコメント(抜粋):
やりがいは、納品した業務が評価され、次の依頼につながること。資料を丁重に扱うのを始め、正確でいい品質であることを一番に考えています。これからもエプソンミズベに仕事を依頼して良かったと思っていただけるよう丁寧な仕事を心掛けたいです。
栁沢さんコメント(抜粋):
目安の作業量が時間ごとに決められているため、それに沿って作業することで滞ることなく仕事を進めていくことができます。仕事で困ったことがあれば気軽に上司に相談できますし、アイディアがあれば積極的に聞いてくださる環境があることがとても安心します。
エプソンミズベ株式会社
1983年にセイコーエプソン(株)の特例子会社として設立。長野県諏訪・松塩エリアの6事業所にある工場で業務を展開している。
代表取締役 上條 尚史さん
1989年にセイコーエプソンの関係会社に入社。2005年より労働組合に出向。職場復帰後は電子デバイス事業部の人事総務部門を担当、2023年1月より現職。全国障害者雇用事業所協会長野県支部 支部長を兼任。管理部 部長 河西 秀和さん
1990年にセイコーエプソン(株)に入社。電子デバイスの企画、品質管理に従事。2022年よりエプソンミズベにて、障がい者が成長できる会社に向けて人事・管理を担当。管理部 課長 早川 崇志さん
2000年にセイコーエプソン(株)に入社。ITシステムの企画推進に従事。2023年よりエプソンミズベにて、グループのインクルーシブな障がい者活躍実現に向けた戦略・人事を担当。