休職中にやることリスト|手続き・体調管理・復職準備を時期別に解説
「休職が決まったけれど、何から手をつければいいのかわからない」。診断書を出したその日から、時間の使い方が急に自分の手にゆだねられます。うつ病や適応障害などで心療内科・精神科に通っている方なら、頭も体も動きにくい状態のはずです。そんなときに「あれもこれも」と考えるのは、それ自体が負担になります。
この記事は、休職中にやることを「最初の手続き」「体調を整える行動」「お金まわり」「復職準備」に分け、時期別のチェックリストとして整理したものです。順番に読まなくて構いません。今の自分に関係のあるところだけ拾ってください。そして最初にお伝えしておきたいのは、ここに書いたことを全部やる必要はない、ということです。優先されるのは、いつでも体調のほうです。

休職が決まったらすぐにやること(手続き編)
休職の入り口では、生活を守る手続きだけを先に片づけてしまうのが、結果的にいちばん楽になります。厚生労働省の職場復帰支援の手引きでも、休業が始まる段階で、傷病手当金などの経済的な保障、不安や悩みの相談先、公的または民間の職場復帰支援サービス、休業の最長(保障)期間といった情報が本人に提供されることが望ましいとされています。裏を返せば、この4つが最初に押さえたい項目です。
診断書を会社に提出する
休職は、主治医が作成した診断書を上司や人事に提出するところから始まります。診断書には休職が必要である旨に加えて、必要な療養期間の見込みを書いてもらうと、その後の予定が立てやすくなります。厚生労働省のモデル就業規則でも、傷病のため継続して一定の日数以上欠勤するときは医師の診断書を提出する、という規程例が示されています。
診断書には期限があります。切れる前に次の診察の予約を入れておくと、更新のときに慌てずにすみます。初診で受け取る方も、通院を続けている方も同じです。診断書をもらうまでの流れは、適応障害で休職するには?診断書の取得から復職までの流れもあわせてご覧ください。
就業規則で休職制度を確認する
意外に知られていませんが、休職は法律で会社に義務づけられた制度ではありません。厚生労働省のモデル就業規則の解説でも、休職の定義や休職期間の制限、復職などについて労働基準法に定めはない、と明記されています。休職できる期間の長さも、休職中に給与が出るかどうかも、会社の就業規則によって決まります。
確認したいのは3点です。休職できる期間の上限、期間が満了しても復職できないときの扱い、復職するときの手続き。自分で読むのがつらいときは、家族に頼んだり、人事に「該当する部分を教えてほしい」と伝えたりして構いません。
会社との連絡方法・頻度を決めておく
誰と、どの手段で、どのくらいの頻度で連絡を取るのかを最初に決めておくと、「いつ連絡が来るのだろう」という不安がかなり軽くなります。窓口を直属の上司ではなく人事や産業保健スタッフに一本化してもらうこともできます。
手引きでは、休業者との接触は、診断書や傷病手当金の申請書を提出するタイミングに合わせると本人の負担が軽くなる場合がある、と示されています。連絡の頻度を決めるときの参考になります。
傷病手当金の申請準備を始める
休職中が無給になる場合、生活を支えるのが健康保険の傷病手当金です。業務外の病気やケガの療養のために仕事に就くことができないこと、連続する3日間(待期)のあと4日目以降も休んでいること、その期間について給与の支払いがないこと。この条件を満たすと支給の対象になります。
申請書は本人・事業主・主治医がそれぞれ記入する様式です。まずは勤務先か加入している健康保険から書類を取り寄せましょう。金額と期間は後の「お金まわりでやっておくこと」で説明します。
健康保険料・住民税など支払いの確認
給与が止まっても、健康保険料や厚生年金保険料の本人負担分、住民税の支払いはなくなりません。通常これらは給与から控除されていますが、無給の期間は控除する給与がないため、会社が立て替えて後日精算する、指定口座に振り込む、といった対応になります。
取り扱いは会社と自治体によって異なります。 具体的な金額や納付方法は、勤務先の担当部署とお住まいの自治体の窓口に必ずご確認ください。早めに確認しておくと、あとから想定外の請求が届いて驚くことを防げます。
休職中にやることを時期別に整理する
やることは、休職の段階によって変わります。序盤にやることと終盤にやることは、ほとんど正反対と言ってもいいほどです。ここでは「休養期」「回復期」「復職準備期」の3つに分けて整理します。
なお、それぞれの時期をどんな気持ちで過ごすかについては休職中の過ごし方は?回復の段階ごとの過ごし方とNG行動で扱っています。この記事は「何をやっておけばいいのか」というタスクの一覧としてお使いください。
休養期にやること
休職に入って間もない時期にやることは、実はとても少なくて構いません。前の章で挙げた手続きをひととおり済ませたら、あとは通院と服薬を続けることが、この時期のいちばんの仕事になります。
昼過ぎまで起きられない、一日中横になっている。そういう日が続いても、休養期であれば自然な経過であることが少なくありません。とにかく休むことを優先してよい時期です。生活リズムを無理に整えようとすると、休息そのものが削られます。今の状態が心配なときは、次の診察で主治医に伝えてください。
回復期にやること
「少し退屈だな」と感じる瞬間が出てきたら、回復のサインと考えられます。この時期にやることは、活動を小さく増やしていくことです。日中に少し外に出る、近所を散歩する、簡単な家事をできる日だけやる。時間を区切って始めると、やりすぎて翌日に反動が出るのを避けられます。
活動を増やすペースは自己判断で決めず、主治医と相談しながら徐々に進めましょう。この時期に始めておきたい記録については、次の章で詳しく取り上げます。
復職準備期にやること
体調が安定し、日中の活動が続けられるようになってきたら、復職を見据えた準備に入ります。手引きでは、職場復帰の可否を判断する基準の例として、通勤時間帯に一人で安全に通勤ができること、決まった勤務日・勤務時間の就労が継続して可能であること、業務に必要な作業ができること、作業による疲労が翌日までに十分回復していること、適切な睡眠覚醒リズムが整っていて昼間の眠気がないこと、業務遂行に必要な注意力・集中力が回復していることなどが挙げられています。
そのまま「やることリスト」として使える内容です。図書館やカフェで読書や作業をして一定時間過ごしてみる、通勤にあたる時間帯に外出してみる。こうした行動が、この観点を満たしているかどうかの確認になります。
チェックリストの使い方(無理に全部やらなくてよい)
ここまで読んで「こんなにできない」と感じた方もいるかもしれません。チェックリストは、埋めるためのものではなく、忘れて困ることを取りこぼさないためのものです。期限が関わる手続き系(診断書・就業規則・傷病手当金)は早めに、体調系はゆっくりで構いません。今日ひとつも進まなかった日があっても、それは失敗ではありません。
体調を整えるためにやること
回復の土台をつくるのは、特別なことではなく日々の積み重ねです。ここでは復職の準備にもつながる4つを挙げます。
通院と服薬を続ける
休職中にやることの中で最も優先度が高いのが、治療の継続です。薬の効果が安定する前に自己判断で中断すると、症状がぶり返すことがあります。飲みにくさや副作用が気になるときも、やめる前に主治医に相談してください。不眠や気分の落ち込みが続くときも、次の受診を待たずにクリニックへ連絡して構いません。
お酒でつらさをやわらげようとする方もいますが、服用中の薬との組み合わせや量については、自己判断ではなく主治医に確認しておくと安心です。診療の場は体調を報告する場であると同時に、復職のタイミングを一緒に考える場でもあります。カウンセリングや認知行動療法を併用している場合は、その予定も含めて通院を生活の軸に置いておくと、一日の流れが組み立てやすくなります。
睡眠と起床の時刻を記録する
何時に寝て何時に起きたかを、手帳やスマートフォンに書き留めるだけで構いません。記録が残っていると、自分では気づきにくい変化が見えてきます。昼夜逆転が続いているのか、少しずつ戻ってきているのか。口頭で説明するより、記録を見せたほうが正確に伝わります。初めて記録をつける方は、時刻だけの一行で十分です。
毎朝同じ時刻に起きる練習は復職準備期に入ってからで構いません。まずは記録するだけで大丈夫です。生活リズムの整え方そのものは、生活リズムを整えるには?崩れる原因と立て直しの手順で紹介しています。
食事と軽い活動を生活に戻す
決まった時間に起きて食べること、日中に少し体を動かすこと。この2つは、体力を戻していくうえで始めやすい行動です。散歩などの軽い運動なら5分でも10分でも構いません。外出が難しい日は、窓際で日の光を浴びるだけでも意味があります。規則正しい生活に一気に戻そうとせず、できた日を積み重ねていくくらいの気持ちで十分です。
体力の回復は、復職の可否を判断するときにも見られる観点です。翌日に疲れが残らない範囲かどうかを目安に、活動量を少しずつ調整していきましょう。
自分の状態を記録するセルフモニタリング
睡眠のほかに、その日の気分や疲れ、何をして過ごしたかを一言だけ書き残しておくのもおすすめです。「どんなときに落ち込みが強くなるのか」「どのくらいの活動量なら翌日に響かないのか」が、記録を重ねるほど見えてきます。やる気が出ない日が続いても、それ自体がうつ状態のあらわれであることは珍しくありません。
この情報は、復職後に必要な配慮を会社に伝えるときの材料にもなります。つらくなるようなら無理に書かなくて構いません。書ける日に、一行だけで十分です。
お金まわりでやっておくこと
経済的な見通しが立つだけで、不安の大きさはかなり変わります。ここでは代表的な制度を整理します。
傷病手当金の申請
傷病手当金の支給期間は、支給を開始した日から通算して1年6か月です。1日あたりの金額は、支給開始日以前の12か月間の各標準報酬月額を平均した額を30日で割り、その3分の2に相当する額として計算されます。おおよそ、これまでの給与の3分の2程度と考えるとイメージしやすいでしょう。
申請書には、本人の記入欄のほか、給与の支払いの有無についての事業主の証明と、療養を担当した主治医の意見が必要です。事業主の証明が必要な性質上、1か月単位で給与の締切日ごとに申請することが勧められています。提出先は、加入している協会けんぽの支部です。健康保険組合に加入している場合は、その組合が窓口になります。
自立支援医療(精神通院医療)の申請
通院が続きそうな場合に検討したいのが、自立支援医療(精神通院医療)です。精神疾患で通院による医療を継続的に必要とする状態の方が対象で、統合失調症や気分障害、ストレス関連障害などが含まれます。この制度を利用すると、医療費の自己負担が原則1割になり、さらに所得に応じて1か月あたりの自己負担上限額が設定されます。通院の料金が重くのしかかっている方ほど、早めに検討する価値があります。
実施主体は都道府県と指定都市です。さいたま市にお住まいの場合、申請窓口は各区役所の支援課で、自立支援医療支給認定申請書と医師の意見書などを提出します。受給者証の有効期間は1年で、継続の申請は有効期限の3か月前から可能です。
そのほか状況に応じて確認したい制度
休職が長引く場合や生活費のめどが立たない場合には、ほかにも確認しておきたい制度がありますが、どれが使えるかは加入している保険や世帯の状況によって大きく変わります。こうした公的支援の情報は、会社の人事や産業保健スタッフから提供されることもあります。ひとりで調べ切ろうとせず、市区町村の障害福祉担当窓口や、後で紹介する相談先で「自分の場合はどうか」を聞いてしまうほうが早いことも多いです。
窓口は健康保険・自治体によって異なる
傷病手当金の窓口は加入している健康保険、自立支援医療の窓口は市区町村です。同じ制度でも必要な書類や受付の方法は自治体によって運用が異なりますので、実際に申請するときは、加入している健康保険とお住まいの市区町村の窓口にご確認ください。
休職中にやらないほうがよいこと
やることと同じくらい大切なのが、「今はやらないでおく」と決めることです。
大きな決断(退職・転職・引っ越し)
調子が悪い時期には、物事を実際よりも悲観的に見積もる方向に判断が傾きがちです。退職、転職、引っ越し、高額な契約といった大きな決断は、この時期は避けて、回復してから改めて考えることをおすすめします。
特に退職は、傷病手当金の受け取り方にも関わります。退職日までに継続して1年以上の被保険者期間があるなど一定の条件を満たせば、退職後も引き続き受けられる場合がありますが、条件を満たさなければ受けられません。決める前に、一度は主治医や健康保険の窓口に相談してください。
会社と連絡を絶つ
つらさが強いときほど、会社からの連絡を見るのが怖くなります。それでも完全に絶ってしまうと、休職期間の扱いや復職の手続きで不利になることがあります。
対処法は「連絡を絶つ」ではなく「連絡の形を変える」ことです。窓口を人事に一本化する、返信は週に一度でよいことにする、家族に代わりに受けてもらう。こうした調整は、事前に相談すれば認められることが少なくありません。
反対に、休んでいるのに仕事のメールやチャットを開き続けてしまうのも、休養の妨げになります。連絡を絶つことと、常に仕事の情報に触れ続けることは、どちらも極端です。決めた頻度で必要なやりとりだけをする。その中間を意識して選んでみてください。
回復しないうちに転職活動を始める
「この会社に戻るのは無理かもしれない」という気持ちが出てくること自体は、珍しくありません。ただ、体調が整わないうちに転職活動を始めると、面接や書類の準備が大きな負担になり、回復が遅れることがあります。
もうひとつ知っておきたいのが、傷病手当金との関係です。この給付は、療養のために仕事に就くことができない状態に対して支給されるもので、その判断は主治医の意見や本人の仕事の内容などをもとに行われます。休職中にアルバイトなどで働くことを考えるときは、支給に影響する可能性があるため、事前に加入している健康保険に確認しておくと安心です。
将来の働き方を考えること自体を禁じる必要はありません。体調が整ってきた段階で選択肢のひとつとして検討する。その順番であれば、前向きな行動になります。始めるタイミングは主治医に相談して決めるのが安心です。
「何もできていない」と自分を責める
休職中は、罪悪感や焦りが強く出やすい時期です。「同僚に迷惑をかけている」「一日中何もできなかった」と自分を責めてしまう方は少なくありません。
けれども休養は治療の一部です。今日の活動量が少なかったことは、怠けではありません。自分を責める言葉が浮かんできたら、それも記録に残して診察で主治医に伝えてみてください。焦らなくて大丈夫です。気持ちのつらさが強いときの相談先は、後ほど紹介します。
復職に向けてやること
体調が戻ってきたら、復職の手続きが始まります。ここは順番が決まっているので、流れとして押さえておくと動きやすくなります。
主治医に復職について相談する
復職の準備は、まず主治医に相談することから始まります。会社に復職の意思を伝えると、主治医による職場復帰が可能という判断が記された診断書の提出を求められます。診断書には、就業上の配慮に関する主治医の具体的な意見を含めてもらうことが望ましいとされています。
なお主治医の判断は日常生活での回復の程度をもとにしていることが多く、必ずしも職場で求められる業務遂行能力まで回復していることを意味するわけではありません。ここが主治医の診断と会社の判断に違いが生まれやすいところで、産業医などが改めて確認したうえで意見を述べる流れになります。
会社に復職の意思を伝える
復職の手続きは、本人が意思を伝えるところから動き出します。伝える相手は、休職中の連絡窓口になっている人事や上司です。
そのあと会社側では、必要な情報を集めて職場復帰の可否を判断し、復職日や就業上の配慮の内容を定めた「職場復帰支援プラン」が作成されます。復職の判断は本人の希望だけで決まるものではなく、産業医などの医学的な意見も踏まえて総合的に行われます。復職のタイミングの考え方は、適応障害からの復職の目安は?判断のポイントと再発を防ぐ工夫でも整理しています。
通勤訓練・試し出勤などの制度を確認する
正式な復職の前に、段階的に慣らしていく仕組みを設けている会社もあります。厚生労働省の手引きでは、試し出勤制度等の例として次の3つが挙げられています。
模擬出勤は、通常の勤務時間と同じ時間帯に、デイケアなどで模擬的な軽作業を行ったり、図書館などで時間を過ごしたりするもの。通勤訓練は、自宅から職場の近くまで通常の出勤経路で移動し、職場付近で一定時間過ごしてから帰宅するもの。試し出勤は、職場復帰の判断などを目的として、本来の職場に試験的に一定期間出勤するものです。
これらは会社が社内制度として設けている場合に利用できるもので、すべての会社にあるわけではありません。就業規則や人事への確認が必要です。実施にあたっては、療養を進めるうえで支障にならないという主治医の判断を受けることも必要とされています。
就業上の配慮について相談する
復職後は、いきなり以前と同じ量・質の仕事に戻るのではなく、労働負荷を軽減して段階的に戻していく配慮が重要とされています。手引きが示す配慮の例には、短時間勤務、軽作業や定型業務への従事、残業・深夜業務の禁止、出張制限、交替勤務制限などがあります。
復職先については「まずは元の職場への復帰」が原則とされています。異動が発症のきっかけになったケースなど、例外もあります。希望する配慮の内容と期間をあらかじめ言葉にしておくと、面談のときに伝えやすくなります。
復職はゴールではありません。手引きでは、復職後も管理監督者や産業保健スタッフによるフォローアップを行い、症状の再燃・再発の有無や勤務状況を確認しながら、必要に応じて職場復帰支援プランを見直すこととされています。通院も続きます。復職して数か月は安全運転で進むくらいの意識でいると、二度目の休職を避けやすくなります。受けられる支援の全体像は、職場復帰支援とは?会社・医療・福祉それぞれの支援を解説で紹介しています。
復職以外の道を考えるときにやること
休職期間が長引いたり、元の職場に戻ることが現実的でなくなったりすることもあります。そのときにやることは「決める」ことではなく「知る」ことです。
選択肢を知る
復職を支える仕組みは、会社の制度だけではありません。代表的なのがリワークと呼ばれる職場復帰支援です。医療機関が行うもの、地域障害者職業センターが行うもの、会社が社内で行うものがよく知られています。
支援の期間はセンターや本人の状況によって設定されます。たとえば埼玉障害者職業センターでは、説明会への参加から支援終了までおおむね6か月間を目安とし、実際のスケジュールは本人・事業主・主治医の合意のもとで個別に提案するとしています。なお、国・地方公共団体などにお勤めの方は支援の対象外です。
ここで見落とされがちなのですが、リワークはこの3つだけではありません。 自立訓練(生活訓練)や就労移行支援といった障害福祉サービスでも、復職に向けた準備を進められます。
ただし、誰でも自由に選べるわけではありません。厚生労働省の事務連絡では、休職期間中に復職支援として障害福祉サービスを利用する場合、次の3つの要件をいずれも満たすときに支給決定を行って差し支えないとされています。ひとつめは、勤務先や地域の就労支援機関、医療機関等による復職支援の実施が見込めない、または困難であること。ふたつめは、本人が復職を希望し、勤務先と休職の診断をした主治医が、このサービスによる復職支援を受けることで復職することが適当と判断していること。みっつめは、このサービスを利用することでより効果的かつ確実に復職につなげられると市区町村が判断すること。自立訓練を利用する場合も、同じ要件を確認したうえで支給決定が行われます。まずはお住まいの市区町村の窓口や相談支援事業所に、自分の状況で使えるかどうかを相談するのが第一歩です。リワーク全体の仕組みは、リワークとは?復職までの流れと種類をわかりやすく解説で説明しています。
進路の幅そのものも、想像より広く取れます。一般就労、障がい者雇用での就労、パート・アルバイト、就労移行支援、就労継続支援A型・B型、復職(リワーク)、進学。どれが合うかは、体調と生活の立て直し具合によって変わります。
相談できる窓口を知る
ひとりで抱えないための窓口も、あらかじめ知っておくと安心です。厚生労働省の「こころの耳」では、働く方やそのご家族、企業の人事労務担当者からの相談を、匿名・無料で受け付けています。電話・SNS・メールの3つの方法があり、自分に合ったものを選べます。
このほか手引きでは、事業場外の資源として産業保健総合支援センター、地域産業保健センター、精神保健福祉センター、地域障害者職業センターなどの活用が挙げられています。福祉サービスの利用を考えるときは、お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口が入り口です。さいたま市であれば各区役所の支援課が相談先になります。気持ちのつらさが強いときは、こうした公的な窓口に早めにつながってください。
自立訓練(生活訓練)という選択肢
自立訓練(生活訓練)は、障害者総合支援法にもとづく障害福祉サービスのひとつです。生活リズムを整えたり、対人関係のスキルを身につけたりと、生活の土台をつくる訓練を行う場だとイメージしてください。
標準利用期間は24か月で、長期入院をしていた方など一定の場合は36か月です。かつては機能訓練は身体障害、生活訓練は知的障害・精神障害と対象が限定されていましたが、2018年(平成30年)4月からは障害の区別なく利用できるようになりました。うつ病や適応障害などの精神障害は、この改正より前から生活訓練の対象です。利用期間の詳しい仕組みは自立訓練(生活訓練)の利用期間は?原則2年の仕組みと延長の条件を解説をご覧ください。
生活の立て直しを一人で抱えないために
ここまで挙げてきた「やること」の多くは、通う場所があると自然に進みます。生活リズムも体力も、人と話す練習も、家の中だけで整えるのは簡単ではありません。
メルディアライフネスト浦和でできること
メルディアライフネスト浦和は、埼玉県さいたま市浦和区にある自立訓練(生活訓練)の事業所です。北浦和駅から徒歩4分の場所にあります。
特徴のひとつが10のプログラムです。ライフプログラム、ライフシミュレーショントレーニング、SST(ソーシャルスキルトレーニング)、集団認知行動療法、コネクトプログラム、グループワーク、クリエイティブタイム、フィジカルプログラム、ITスキル、CSP(e-learning)の10種類があります。生活全般を整えるライフプログラムや、実際の生活場面を想定して練習するライフシミュレーショントレーニングは、休職中の生活の立て直しに直結する内容です。パソコンの力をつけたい方には、基本操作やOfficeソフトの習得などを目指したPCスキルアップ講座であるITスキル、社会生活を円滑に送る上で役に立つ情報の個別学習プログラムであるCSPも用意しています。人とのつながりを取り戻したい方は、コネクトプログラムやグループワークから小さく始めることもできます。
支援の入り口では、EQSという独自の評価指標を使います。「心のしなやかさ」「コミュニケーション能力」「困難に立ち向かう力」の3つの軸で今の状態を確認し、その結果をもとに、マンツーマンのオーダーメイドプログラムであるS.I.P(Self-Insight Program)で、自己理解を深めながら豊かな社会生活に向けて症状への対処法を身につけていきます。
通所のイメージと10のプログラム
1日の流れは次のとおりです。10:00に通所して朝礼を行い、10:10から12:00まで午前のプログラム。12:00から13:00は昼休憩で、13:00から15:00が午後のプログラム。15:00から15:30に振り返りをして帰宅します。通所の頻度や参加するプログラムは個別支援計画に応じて調整でき、計画はおおむね3か月ごとに見直します。
在籍しているのは、看護師・臨床心理士・精神保健福祉士・社会福祉士などの専門資格をもつ多職種のスタッフです。体調のことも、生活のことも、進路のことも、同じ場所で相談できます。
メルディアライフネスト浦和では、2年の利用期間の中で就職や進学に向かうための生活力を身につけることを原則としています。就職活動のサポートまで自立訓練の枠組みの中で一貫して行うため、自立訓練単独で就職まで進むことが可能です。就職までにもっとトレーニングを積みたいという方には、グループ内の就労移行支援であるメルディアトータルサポートへ次のステップとして進む道もあり、支援の情報をスムーズに引き継げます。
休職中にやることに関するよくある質問
Q. 休職中、ずっと寝てばかりです。これでいいのでしょうか。
休職の初期にたくさん眠るのは、自然な経過であることが少なくありません。眠れない状態が続く場合や、眠り続ける状態が変わらない場合は、次の診察で主治医に伝えてください。
Q. 休職中に外出したり、旅行に行ったりしてもよいのでしょうか。
回復が進んできた段階での散歩や買い物などの外出は、むしろ回復の後押しになります。旅行のように負荷の大きい外出は体調と時期によって判断が変わりますので、主治医に相談したうえで決めるのが安心です。
Q. 傷病手当金はいつまで受け取れますか。
支給を開始した日から通算して1年6か月です。「通算」なので、途中で復職した期間は含まれません。
Q. 復職が難しそうなときは、どこに相談すればよいですか。
主治医や会社の産業保健スタッフのほか、本文で紹介した公的な相談窓口や、お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口が入り口になります。
まとめ
休職中にやることを、もう一度整理します。休職が決まったらすぐにやるのは、診断書の提出、就業規則の確認、会社との連絡ルールの取り決め、傷病手当金の申請準備、社会保険料や住民税の支払い方法の確認。この5つです。ここまで片づけば、あとは休むことに専念できます。
体調が戻ってきたら、通院と服薬の継続を土台に、睡眠の記録や軽い活動を少しずつ。復職準備期に入ったら、主治医への相談から会社への意思表示、就業上の配慮の相談へと進みます。反対に、大きな決断や体調が整わないうちの転職活動は、先送りにしてよい項目です。
そして、復職だけが道ではありません。自立訓練(生活訓練)のような障害福祉サービスで生活の土台から立て直し、そこから一般就労を目指すこともできます。この記事の項目を全部こなす必要はありません。今日できたことがひとつもなくても構いません。困ったときに相談できる先を知っていること、それ自体がすでに「やったこと」のひとつです。
メルディアライフネスト浦和では見学・無料相談を受付中です。お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ:https://mlda.jp/mlninquiry/
この記事はメルディアライフネスト浦和のスタッフが監修しています。
出典一覧
※1 厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」
https://www.mhlw.go.jp/content/000561013.pdf
※2 全国健康保険協会「傷病手当金」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/benefit/injury_and_sickness_allowance/index.html
※3 全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)|よくあるご質問」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/faq/benefit/002/index.html
※4 厚生労働省「モデル就業規則(令和7年12月版)」
https://www.mhlw.go.jp/content/001620507.pdf
※5 厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)の概要」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jiritsu/seishin.html
※6 厚生労働省「自立支援医療における利用者負担の基本的な枠組み」
https://www.mhlw.go.jp/content/001718390.pdf
※7 さいたま市「自立支援医療費(精神通院医療)支給制度について教えてください。」
https://www.city.saitama.lg.jp/faq/001/002/001/p110352.html
※8 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 埼玉障害者職業センター「障害のある方へのサービス(リワーク支援)」
https://www.jeed.go.jp/location/chiiki/saitama/11_saitama_service1.html
※9 厚生労働省「自立訓練(機能訓練・生活訓練)に係る報酬・基準について」
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000670106.pdf
※10 厚生労働省「こころの耳の相談窓口」
https://kokoro.mhlw.go.jp/soudan/
※11 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.1(令和6年3月29日)」問52・問54





