家族のバウンダリー(境界線)
こんにちは。カウンセラーの小川です。
インフルエンザが猛威を振るっていますが、みなさま大丈夫でしょうか。
わたしは毎日職場に持ってきている水筒の中にしょうが湯を入れて予防態勢をとっています。しっかり睡眠をとって乗り越えたいところです。
バウンダリー
さて今日のテーマは『バウンダリー』です。
心理学用語で、自分と他人の「境界線」を指します。この境界線は目に見えません。
日本人は欧米人と比べて特にこのバウンダリーが曖昧になりやすいそうです。阿吽(あうん)の呼吸、空気を読む、などの文化から来るのでしょうか。
自分以外の他者、とりわけ距離の近い他者については特に、このバウンダリーが曖昧になってしまいがちです。
とても大切で、かつ幅が広いテーマなので、今回は家族間のバウンダリーについて少し考えて頂くきっかけになればと思って取り上げました。
バウンダリーが曖昧だとどんな問題が起こりやすいのでしょうか。
曖昧なバウンダリーに起因する人間関係の問題
バウンダリーが曖昧、つまり自分と相手の心の境界線があやふやな時、以下のようなことが起こりがちです。
- 依存されてしまう
- 過干渉になってしまう
- 苦しいのに尽くしてしまう
- 自分がなんとかしなくてはと思い過ぎる
- NOと言えない
- 感情をぶつけてしまう
メルディアウェルネスは家族関係を多く扱っているカウンセリングルームのため、親子、夫婦、きょうだいに関する悩みごとをお聴きする機会が多いのですが、このバウンダリーを明確にするための整理をすることが、カウンセリングにおいてのひとつのポイントとなるケースが多くあります。
「家族だからこれくらいやって当然。」「家族だから自分がどうにかしなくては。」「家族なんだからしょうがない。」「家族なのに。」
どれも悪い考え方という訳ではありませんが、行き過ぎると息苦しくなります。家族の中ではバウンダリー(境界線)は引いてはいけないかのように、境界線をかき消してしまっていませんか。
バウンダリーを引くコツ
「家族は他人ではない。マルかバツか?」
ある意味ではマルなのですが、別の意味ではバツとも言えますね。
自分以外の人、イコール他人。
その意味で言うと、あなたの夫や妻、お母さん、お父さん、子ども、お兄ちゃん、お姉ちゃん、妹や弟、みんな「他人」になります。
家族の事を他人と表現すると、ちょっと寂しいかもしれないし、怖いような感じがするかもしれません。
「他人」という言葉を日常で使う場合は、家族や親族ではない人、事柄に関係のない人を指して使うことが多いと思いますが、もし、あなたがバウンダリーが曖昧になっているかも、と思うのであれば、一度、自分以外の人を「他人」と思ってみてください。
適切なバウンダリーは鉄の壁ではない
バウンダリー(境界線)を適切に引くことは、自分も相手も大切にすることにつながります。
他人なんだからどうでもいいとか、冷たくしていいとか、そういうことではなく、友人には言わないような言い方を家族にはしてしまう、それもバウンダリーが曖昧なのです。「家族だからいい」と自分の中で勝手に許可してしまっているかもしれませんね。
バウンダリーは相手との距離を取るための鉄の壁ではなく、自分と相手の領域を尊重するための境界線です。
家族関係や人間関係で悩んだとき、バウンダリーの問題が関係していることも多くあるため問題を整理する必要がありますが、自分だけでは難しい方はカウンセリングでお手伝いします。
カウンセリングでは、これはバウンダリーが曖昧になっているかも、とカウンセラーが気づいたところで質問を重ねていくことがあります。
自分だけでは気づかない目に見えない境界線を適切に引くサポートができれば幸いです。
よい一日を。